2022年6月13日(月) 参議院 決算委員会「2020年度決算ほか2件」
反対および賛成の討論を行いました。
反対:「2020年度決算(4点)」「2020年度国有財産増減及び現在額総計算書の是認」
賛成:「2020年度国有財産無償貸付状況総計算書の是認」「内閣に対する警告決議」
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2022年6月13日(月) 参議院 決算委員会
「2020年度決算ほか2件」「内閣に対する警告決議」
○岩渕友君 私は、日本共産党を代表して、2020年度決算、2020年度国有財産増減及び現在額総計算書の是認に反対、2020年度国有財産無償貸付状況総計算書の是認に賛成、内閣に対する警告決議に賛成の立場から討論を行います。
2020年度決算に反対する第一の理由は、新型コロナウイルスの感染拡大によって国民の暮らしと雇用、中小・小規模事業者やフリーランス、医療機関等が深刻な打撃を受ける下で、手厚い支援を行うどころか、消費税10%を維持し、国民に自助と自己責任を押し付ける冷たい決算となっているからです。
一般会計税収のうち消費税収が3分の1を占め、コロナ禍で国民に莫大な負担を強いる消費税頼みの財政運営が続いてきました。このことが消費を冷え込ませて、景気を悪化させ、格差と貧困を広げてきました。コロナ禍で安倍、菅政権が推し進めた全世代型社会保障は、社会保障費の自然増分を削減し、マクロ経済スライド連続実施による年金削減、生活保護費の段階的引下げなど、国民への給付減と負担増となりました。
三次にわたる補正予算でも、安倍、菅政権は、フリーランスや非正規労働者が求めた最低賃金の引上げ、減収に苦しむ医療機関への赤字補填、中小・小規模事業者に対する社会保険料減免、持続化給付金、家賃支援給付金の再支給等を拒否する冷たいものとなっているとともに、巨額の不正受給が明らかとなり、多重下請構造による委託費用の中抜きが問題となる中で、本来支給されるべき中小・小規模事業者に給付金が届かないという事態が多発しました。一方、456兆円もの内部留保を抱える大企業に5G普及のための減税などを行ってきました。大企業への優遇税制を改め、富裕層の累進課税強化へ踏み出すべきです。
また、GoTo事業やいわゆるアベノマスクの配布等に見られるコロナ対策に逆行する予算計上や、キャッシュレスポイント還元事業など新型コロナ対策に名を借りた予算の計上は容認できません。
第二の理由は、巨額の軍事費です。
20年度末の後年度負担は5兆5330億円となり、過去最高を更新しました。政府は、有償軍事援助、F35B戦闘機など高額の米国製武器の爆買いを進めてきました。菅政権が提出した第三次補正予算は、P1哨戒機等を前倒し取得する歳出化経費を計上しました。補正予算で兵器購入の前倒し、分割払を計上する安倍政権のやり方が常態化していることは問題です。発注済みの兵器の後年度負担分を繰り上げて払うことに緊急性はなく、まして経済対策ではありません。巨額な軍事費は財政を圧迫し、国民に必要な施策を行えない、危険性を増大するものです。
第三の理由は、東京外郭環状道路等の大企業向けの大型開発事業を進め、原発再稼働を強行し、核燃サイクルを温存するものだからです。
東京電力福島第一原発事故によって今もふるさとに戻ることのできない方々がいます。原発ゼロを決断し、省エネ、地域と共生する再生可能エネルギーの導入こそ進めるべきです。
なお、2020年度国有財産無償貸付は、公共の福祉に寄与するため、賛成とすることを述べて、討論といたします。