北海道コラム

2018.11.26 北海道コラム

劣悪な外国人労働者の労働実態

 外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法案改定をめぐって、失踪した外国人技能実習生の聞き取り結果の政府発表で、データの偽装や誤りが明らかになりました。前提が崩れたまま審議を強行しています。

 22日、聴取票が参議院でも公開されました。しかし、コピーも写真撮影もできません。そこで野党議員が聴取票を書き写すことに。他の野党議員と「なぜこんなことをしなければならないのか」と怒りを共有しながら、私が書き写せたのは2時間で40件ほど。この日集計された455件の内容は、平均時給は609円。最も低い鹿児島県の最低賃金761円を上回っていると確認できたのは68件しかありませんでした。私が閲覧したなかには、月額給与は20万円と事前説明を受けたのに、実際は8万円しかもらえなかったという事例もあります。聴取票から一人ひとりが見えてくるようで胸が痛みます。
 途中、ある自民党議員が様子を見に来ました。そこにいた議員が抗議すると「嫌ならやめればいいじゃないか」と言って出ていきました。あまりにもひどい。最低賃金以下、暴力などの実態を改善せず、受け入れだけを拡大することはあってはなりません。外国人労働者の権利を守ることは日本の労働者の権利を守ることです。実態をすべて明らかにするとともに、徹底審議で廃案へ。力を尽くします。