しんぶん赤旗コラム

労働者をモノ扱いの政治

 いま大問題になっている外国人労働者の受け入れ拡大法案。連日のように野党合同ヒアリングが行われ、外国人技能実習生の方々が「朝8時から夜12時まで働いて残業代が1時間300円」「パワハラ、いじめにあった」「除染作業をやらされた」など深刻な実態を訴えています。
 国際社会から奴隷労働と批判されているのが、技能実習制度です。家族と離ればなれ、職場の選択や住まいの自由など基本的人権が認められていません。

 無権利状態で働かせている実態が今でも大問題になっているのに、こうした実態を放置したまま外国人の受け入れを増やすことになれば、さらなる人権侵害を招くことになります。まずは現状を解決しなければなりません。
 外国人労働者をモノのように扱う政治は、日本の労働者も大事にしていません。先日、宮城県の医労連のみなさんが要請に来られ、「夜勤が月12回。14回という人もいる。自分の時間がとれない」「人が足りず一人ひとりに寄り添ったケアができない。仕事にみあう給料ではない」など、看護師と介護士の方から実態についてお聞きしました。
 やりがいがあり、誇りをもてる仕事を続けたい。労働条件の改善と人手不足の解消、社会保障の充実は待ったなしの課題です。
 一昨日は法案の拙速審議を許さない野党合同院内集会が開かれました。徹底審議で廃案にするために力を尽くす決意です。