北海道コラム

2017.03.06 北海道コラム

避難指示解除が終わりでない

 東日本大震災と福島原発事故から間もなく六年。今も八万人ものみなさんが福島県内外での避難生活を強いられています。
 政府は、四月一日までに帰還困難区域を除く避難指示の解除を行い、原則として戻ることが難しいとしてきた帰還困難区域も「拠点」を設けて五年を目途に戻れるようにしようという方針を示しています。しかし避難指示が解除されれば終わりではありません。

 「ふるさとも家族も奪われた。子どもの笑顔を、一家団らんを、生きがいを返してほしい」。参加した「原発ゼロの未来へ3・4全国大集会」で楢葉町の早川千枝子さんが訴えました。楢葉町は避難指示解除から一年半経った今でも一割の町民しか戻っていません。戻っても避難生活で足腰が弱って農業ができない、戻るのは高齢な夫婦だけなど、原発事故が人間らしく暮らすことを奪い続けていることに怒りがわいてきます。
 先日お聞きした方は「原発は廃炉まで四十年もかかると言われているし、また何かあったらと不安。だからいつでも避難できるように缶詰などをリュックに入れて車に積んでいる。死ぬまで心は復興しない。これからもたたかい」と話してくれました。原発があることが住民を不安にさせています。
 原発再稼働のために福島を切り捨てる安倍政権を許すわけにはいきません。原発ゼロを政治決断させ、被災者が生活と生業を再建するまで国と東京電力に責任を果たさせるために全力を尽くす決意を新たにしています。