菅政権になって初の本格論戦の場となる臨時国会が始まりました。菅首相は所信表明演説で、大問題になっている日本学術会議の人事介入問題には一言も触れませんでした。なぜ6人を任命拒否したのか、代表質問で「多様性」といい、ついには旧帝大の国立大所属の会員が多く偏っていると答弁しましたが、6人中3人は私立大に所属しています。答弁を重ねるごとに矛盾が深まっています。
2050年には温室効果ガスの排出をゼロにするとしたものの、石炭火発を温存し、安全最優先で原子力政策を進めるといいます。自民党幹部からは原発の新増設という言葉も飛び出し、あわてて官房長官が「想定していない」と会見する事態となりました。今後も原発に依存することになれば、再生可能エネルギーの大量導入は阻害されることになります。脱炭素を隠れ蓑にして原発再稼働などとんでもないことです。
東京電力福島第一原発事故から間もなく10年。今も被害は続いるのに、政府は、福島県内でも全国でも反対の声が広がる汚染水の海洋放出方針を近く決定しようとしています。
これ以上、原発事故のツケを福島に押しつけようというのか。女川原発はじめ再稼働すれば核のゴミが増え続けることになります。処分をどうするかも決まらず、寿都町でも神恵内村でも分断を招く事態になっているのに、再稼働しようというのか。怒りが込みあげてきます。今後、国会でしっかり追及していきたいと思います。
北海道コラム