本会議、予算委員会

原発マネー還流問題 追及は不可欠/原発事故被害者切り捨てるな(予算委員会)

2020年3月17日(火) 参議院 予算委員会「2020年度予算 一般質疑」
「原発事故被害者への住まいと賠償の打ち切り許さない」

関電原発マネー還流問題 利権の追及は不可欠
日本共産党の岩渕友議員は17日の参院予算委員会で、関西電力の第三者委員会が、関電役員ら計75人が福井県高浜町の元助役と関連企業から約3億6千万円を受け取ったなどとする調査報告書を公表したことを受け、「原発マネー還流」問題を追及しました。

 岩渕氏は、昨年の同委で日本共産党の井上哲士議員が金品提供は「原発マネーの還流だ」と指摘したことにふれ、報告書では、元助役の金品提供の目的が関電からの工事発注約束などの見返りと利益を得る仕組みを維持することだったとして、原発マネー還流を認定したと指摘。「原発は国策で進めてきたもの。原発マネーの原資は、電気料金と電源開発促進税。国の責任をどう考えているのか」とただしました。
 梶山弘志経済産業相は「報告書では関電の不適切なガバナンスが原因だ。原子力政策を推進してきたことが問題が生じた原因の本質として指摘されているわけではない」と強弁しました。
 岩渕氏は、報告書が東京電力福島第一原発事故以降、再稼働のための安全対策工事などを通じて金品額が急増したと認定したことは重大だとして、「関電はじめ全国の電力会社の再稼働をめぐる利権を徹底的に追及することが不可欠だ」と述べ、政府・経産省が疑惑解明に責任を果たすよう強く求めました。


被害者切り捨てるな 国と東電
 日本共産党の岩渕友議員は17日の参院予算委員会で、東京電力福島第一原発事故被害者への住宅の無償提供や損害賠償の打ち切りを許さず、国と東電に被害者の生活と生業(なりわい)の再建に最後まで責任を果たすよう求めました。

 岩渕氏は、福島県浪江町から福島市に避難している70代の夫婦の「墓参りも自由にできず、造林し手入れしてきた山はこの10年、手つかずのまま。先祖代々引き継いできたものをゼロにされるのはつらく、悔しい」との悲痛な声を紹介し、重く受け止めるよう訴えました。
 そのうえで、3月末に富岡、浪江両町と葛尾、飯舘両村の「帰宅困難区域」を抱える自治体からの避難者への住宅無償提供が終了する問題を追及。「帰ることができないのに打ち切るのは被害者切り捨てだ」として、国の責任で継続するよう迫りました。田中和徳復興相は「自治体と協議してこのようにした」と答弁。岩渕氏は「国策で事故が引き起こされた責任を感じていない」と断じました。

 さらに岩渕氏は、原発事故の裁判外紛争解決手続き(ADR)で、東電が和解案受け入れの条件に将来の請求を放棄させる趣旨の「清算条項」を要求する実態があると指摘。東電の小早川智明社長は、清算条項をつけた和解件数が2012年101件、13年5件、16年1件、17年8件、18年54件、19年42件となっていることを初めて明らかにしました。
 岩渕氏は、清算条項が原発事故賠償になじまないため事故後に減っていたが近年急増しており「東電が清算条項を付けるなら和解に応じる」例もあることを示し、「加害者が被害者に損害賠償をあきらめさせようとしている」と批判。東電を指導してやめさせるよう求めました。梶山弘志経済産業相は「そういった状況があれば東電を呼んで話を聞いて指導したい」と述べました。


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質問資料1質問資料2質問資料3
質問資料① 避難指示区域の概念図(2020年3月10日時点)【PDF版】【画像版】
質問資料② 応急仮設住宅の無償提供終了後(2020年4月以降)の見通しについて【PDF版】【画像版】
質問資料③ 東電福島第一原発事故賠償 裁判外紛争解決手続(ADR)における「清算条項」を付した和解件数の推移【PDF版】【画像版】



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