本会議、予算委員会

漁業者の尊厳傷つける汚染水海洋放出撤回を/東電福島第一原発事故を忘れた原発回帰許さない

2023年3月15日(水) 参議院 予算委員会
テーマ:漁業者の尊厳傷つける汚染水海洋放出撤回を/東電福島第一原発事故を忘れた原発回帰許さない
(議事録は後日更新いたします)


福島第一/汚染水放出、撤回せよ/漁業者の理解得られず/岩渕議員要求/参院予算委
 日本共産党の岩渕友議員は15日の参院予算委員会で、東京電力福島第一原発で発生する放射性物質トリチウムを含んだ処理水の海洋放出に漁業者など関係者の理解は得られていないとして、撤回を求めました。
 福島県の沿岸漁業の水揚げは、昨年の速報値で5525㌧、35億円。東日本大震災前の2010年と比べ、量では21%、金額では38%にとどまり、回復には程遠い状況です。
 岩渕氏は、漁業者が震災前の5割以上の回復を目指し、本格操業へ向かおうというときに水を差すのが海洋放出だと批判。政府は水産物の需要が減少した場合に買い取りを支援するとしていますが、漁業者からは「取った魚を『おいしい』と食べてもらうことが喜びだ。買い取ればいいということではない」との声が上がっているとして、「漁業者の喜びを奪い、尊厳を傷つけるのが海洋放出ではないか」と迫りました。
 岩渕氏は、世論調査では、全国でも福島県内でも賛否が分かれ、理解や説明は不十分で、風評被害が起きるとの回答は9割を超えているとして、「国も東京電力も、漁業者と『関係者の理解なしにはいかなる処分もしない』と約束している。理解は得られたという認識か」と追及。西村康稔経済産業相は放出への理解を「何かある特定の指標のみで判断することは難しい」などと開き直りました。
 岩渕氏は「自らの約束をほごにすることは許されない。海洋放出は撤回、少なくとも凍結するべきだ」と主張しました。


規制庁幹部に経産出身者/岩渕氏が厳しく批判/参院予算委
 日本共産党の岩渕友議員は15日の参院予算委員会で、原子力規制庁の長官など幹部5人全員が昨年7月以降、経済産業省出身者で独占されている実態を明らかにし、「規制庁が独立しているとは言えない」と厳しく批判しました。
 原子力規制庁は、原子力規制委員会の事務局を務めています。規制委は、東京電力福島第一原発事故を教訓に原発推進政策や原発業界に迎合しない厳格な規制行政を目的に設立されたもので、事務局の規制庁の幹部全員を原発推進の経産省出身者が占めるのは初めてです。
 岩渕氏は、福島第一原発事故の教訓は原子力安全についての監視・監督機能が崩壊していたことだとして「規制側が推進側と一体になっていた。その痛切な教訓から規制委員会が設置された。その独立性がおびやかされている」と指摘。規制庁幹部の出身省庁に加え、原発の運転期間の見直しをめぐり規制庁と資源エネルギー庁が7回にわたって事前調整を行っていたことをあげ「9月6日の規制庁とエネルギー庁の顔合わせでは、規制庁の出席者のうち経産省出身の出席者が何人いたのか」とただしました。
 規制庁の金子修一次長は「全部で6人のうち4人が経産省出身だった」と明らかにしました。
 岩渕氏は、原発の運転期間を原則40年としたルールは経年劣化による安全上のリスクを低減するもので、推進側の経産省が勝手に触っていいものではないと批判。世論調査では、福島第一原発事故のような深刻な事故が起きると思うという回答は84%に上るとして「原発回帰への大転換は新たな安全神話だ。方針の撤回を求める」と訴えました。

(ボタンをクリックやタップすると議事録が開きます)