2020年6月15日(月) 参議院 決算委員会
「2018年度決算ほか2件」締めくくり総括質疑 「2018年度予備費2件」一括議題
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○岩渕友君 私は、日本共産党を代表して、二〇一八年度、平成三十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書の承諾について、(その1)に賛成、(その2)に反対、二〇一八年度、平成三十年度決算、国有財産増減及び現在額総計算書の是認に反対、内閣に対する警告、措置要求決議案、国有財産無償貸付状況総計算書の是認に賛成の立場で討論を行います。
予備費(その1)は、支出事由が七月豪雨や北海道胆振東部地震等の自然災害対応であり、賛成です。
(その2)は、東京電力福島第一原発事故により避難を余儀なくされた住民が国と東京電力に損害賠償を求めた横浜地裁判決で、その責任を断罪する判決が出たにもかかわらず、国側の控訴に関する支出が行われていることは、事故を起こした責任を投げ捨てるものであり、断じて許すことはできません。
本決算に反対する第一の理由は、財政に対する信頼が損なわれているからです。
安倍政権が森友学園に国有地を不当に値引きし売却を決めた決裁文書を改ざんしたことに加え、公文書改ざんを強要され、財務省近畿財務局職員の赤木俊夫さんが自殺に追い込まれたことは重大です。公開された赤木さんの手記は、改ざんが当時の佐川理財局長の指示だったことなど重大な事実を明らかにしています。安倍首相も麻生大臣も再調査を拒んでいますが、真相解明に背を向けることは許されません。
桜を見る会の二〇一八年の支出額は予算額の約三倍に上っています。安倍首相が自らの後援会員らを多数招待した結果、参加者は膨れ上がり、予算を大幅に超過した支出が行われました。この問題も真相解明を強く求めます。
反対する第二の理由は、格差と貧困を広げてきたアベノミクスに固執し、暮らしと経済を痛め付ける一方で、大企業への優遇税制を温存してきたことです。
アベノミクスの五年間で、大企業や富裕層の利益が大きく増える一方で、実質賃金は低下し、家計消費も落ち込みました。ところが、生活保護の削減などを始め、社会保障関係費の自然増分が圧縮され、文教予算や中小企業対策費なども減らすなど、格差を深刻化させたことは重大です。他方、大企業や富裕層への優遇税制などは温存されており、大企業の内部留保は四百兆円を超えています。国民の暮らしを応援する経済政策への抜本的な転換が必要です。
反対する第三の理由は、本決算が米国追随の姿勢をあらわにし、安保法制の下で際限ない軍拡路線を進めてきたからです。
軍事費は、イージス・アショアの関連経費が初めて盛り込まれ、オスプレイやF35Aステルス戦闘機も増強され、過去最大の五兆円を超えました。加えて、FMSの後年度負担総額も五兆円超えであり、これは年間軍事予算に匹敵します。
沖縄県民の民意を踏みにじる辺野古新基地建設が強行されてきたことは断じて許せません。直ちに中止し、新基地建設の断念と普天間基地の閉鎖、撤去を米国に強く求めるべきです。
軍事費を削り、新型コロナウイルス対策に回すことを強く求めます。
新規大型開発事業を優先し、原発再稼働や破綻した核燃サイクルを推進するものとなっていることも大問題です。
三大都市圏環状道路等の建設加速のために財政投融資一・五兆円を投入、国際コンテナ戦略港湾などの新規大型開発事業を優先し、安全面と環境面で問題が指摘されているリニア中央新幹線の建設を推し進めるやり方は到底認められません。
原発の再稼働や破綻した核燃料サイクルを断念し、原発ゼロ基本法案の成立を強く求めて、討論とします。
○委員長(中川雅治君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川雅治君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより採決に入ります。
まず、平成三十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)について採決を行います。
本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。
〔賛成者起立〕
○委員長(中川雅治君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承諾を与えるべきものと議決されました。
次に、平成三十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)について採決を行います。
本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。
〔賛成者起立〕
○委員長(中川雅治君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。
次に、平成三十年度一般会計歳入歳出決算、平成三十年度特別会計歳入歳出決算、平成三十年度国税収納金整理資金受払計算書、平成三十年度政府関係機関決算書の採決を行います。
第一に、本件決算は、これを是認することに賛成の方の起立を願います。
〔賛成者起立〕
○委員長(中川雅治君) 多数と認めます。
第二に、内閣に対し、先刻朗読のとおり警告することに賛成の方の起立を願います。
〔賛成者起立〕
○委員長(中川雅治君) 全会一致と認めます。よって、平成三十年度決算につきましては、多数をもってこれを是認することとし、内閣に対し、先刻朗読いたしましたとおり警告すべきものと議決いたしました。
次に、お手元に配付の平成三十年度決算審査措置要求決議案につきまして、本委員会の決議とすることに賛成の方の起立を願います。
〔賛成者起立〕
○委員長(中川雅治君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
次に、平成三十年度国有財産増減及び現在額総計算書の採決を行います。
本件につきましては、これを是認することに賛成の方の起立を願います。
〔賛成者起立〕
○委員長(中川雅治君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。
次に、平成三十年度国有財産無償貸付状況総計算書の採決を行います。
本件につきましては、これを是認することに賛成の方の起立を願います。
〔賛成者起立〕
○委員長(中川雅治君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。