ある日突然、あなたの家の隣がゴミ捨て場になったらどうしますか?町はもとより、県も国からの補助金が得られるので大賛成だとしたらどうでしょう。ゴミの処理方法は民主的な解決がなされたから、今後はいくらゴミを出しても大丈夫だ、経済成長万歳、民主主義万歳、なのでしょうか。これは極論だとしても、現在の民主主義による多数決が全てを解決してくれるわけではないことは現在の社会を見ても明らかでしょう。国会が二院制をとっているのは衆議院の多数決による判断のみをもって国の意思決定とすることへの危惧があるからではないでしょうか。
参議院は「良識の府」と呼ばれますが、裏を返せば衆議院とその意思決定の在り様が必ずしも「良識の府」とは言えないものだということでしょう。誤解を恐れずに言えば、現在の政党政治と多数決による意思決定には明らかに制度欠陥があり、それに代わる意思決定方法、政治的な運営方法を我々人類はまだ模索中なのだと思います。本当の意味での民主的な意思決定方法、すなわち政治に関して我々人類は間違いなく発展途上なのだと私は思っています。
政治は「民主主義」という制度がやってくれるわけではありません。まして衆議院、参議院という「国会」がやってくれるものでもありません。政治は、「政治家」という血の通った情熱を持った人間が、その個人の責任と国民に対する愛情を持って行うものではないでしょうか。それらの情熱と愛情を持った人間の集合体が時に「国会」と呼ばれ、それらの手法が集合的に時に「政治」と呼ばれるべきものなのではないでしょうか。
発展途上の政治、真の民主主義の模索。その状況下で我々にできること、我々がやるべきこと。それは、心の眼を開き、心の耳を傾け、本物の政治家、人として信頼できる政治家が誰であるか、立ち止まって真剣に考えることではないでしょうか。
我々の地元である宮城県丸森町に大規模太陽光発電施設(メガソーラー)の建設計画が持ち上がり、その対策に困っているときに岩渕友さんに訪問していただきました。2021年5月のことです。丸森町は2019年の台風被害で全国最悪の人的被害を受けた自治体です。大雨、台風に対する防災の要とも言える森林、その森林の115haもの開発事業に災害の懸念、住民の不安が無いはずがありません。岩渕さんは現場をつぶさに視察して現状を確認し、我々の住民の話を詳細に聞いていかれました(現地視察写真参照)。私は、岩渕友さんの案内をし、間近で話をするという機会をいただきました。現状のエネルギー政策の問題点に対して語る時には時に厳しく、苦しい状況に置かれている住民の声に耳を傾ける時には時に優しく、国会議員として、政治家として、情熱を持って任務にあたる姿を目の当たりにしました。私は政治家のあるべき姿をそこに見たような気がしました。
岩渕さんのその情熱が具体的な行動に昇華するまで時間はかかりませんでした。2021年5月31日の参議院決算委員会において、岩渕さんが経産省に対して事業者の恣意的な事業分割による環境影響評価法(アセスメント法)逃れの問題点を鋭く指摘しました。その結果、ついに経産省が重い腰をあげてアセスメント法の適用基準の見直しに至り、丸森町のメガソーラー事業がアセスメント法の適用となることが発表されました(新聞記事参照)。岩渕さんの情熱と行動力が状況を大きく変えたのです。
岩渕友さんと出会ってほぼ1年、国会の質疑でとりあげていただいたことを含め、その後も様々な形で支援をいただいております。岩渕友さんが情熱をもって政治にあたっているか、と問われたら。岩渕友さんは本物の政治家か、と問われたら。私はいずれも自信をもってYESと答えるでしょう。
岩渕友さんには、今後も永く国会の「良識の府」である参議院の中のさらなる「良識」であり続けて欲しい、と願ってやみません。