2021年5月12日(水) 参議院 国民生活・経済に関する調査会
3年間を通じたテーマ「誰もが安心できる社会の実現」のうち、2年目のテーマ「困難を抱える人々への対応」について 意見交換
参院国民生活・経済に関する調査会は12日、今年の調査を踏まえて委員間の意見交換を行いました。日本共産党の岩渕友議員は、コロナ禍で国民の命と暮らしを守るために、憲法を生かすことと、「自助」ではなく「公助」の重要性を主張しました。
調査会は「誰もが安心できる社会の実現」をテーマに3年間の調査活動を実施。2年目にあたる今年は「困難を抱える人々への対応」を年間テーマに、さまざまな分野で参考人質疑を5回行ってきました。
岩渕氏は「非正規労働者の多くが女性であり、雇用の調整弁として解雇が増えている」と指摘。「女性が非正規を選ばざるをえない実態だ。コロナ対策からも、構造的な問題の転換のためにもジェンダー平等の実現が必要だ」と主張しました。
また、コロナ禍で大きな打撃を受けるフリーランスへの傷病手当金支給や中小事業者への直接支援の必要性を主張。外国人技能実習生や外国人労働者が解雇などで困窮している実態も指摘しました。
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2021年5月12日(水) 参議院 国民生活・経済に関する調査会
3年間を通じたテーマ「誰もが安心できる社会の実現」のうち、2年目のテーマ「困難を抱える人々への対応」について 意見交換
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
本調査会は、「誰もが安心できる社会の実現」を大きなテーマとして、二年目となる今年は「困難を抱える人々への対応」について参考人質疑を行ってきました。
コロナ禍の下、誰もが困難を抱える可能性があり、既に困難を抱えている人々に矛盾が集中する下で、国民の命と暮らし、雇用となりわいを守るために、憲法二十五条を始め、憲法を生かすとともに、自助ではなく公助が重要になっています。
女性や子供の自殺が増加するなど、矛盾が集中をしています。
女性の困難と負担増は深刻です。非正規労働者の多くが女性であり、雇用の調整弁として解雇が増えています。女性が非正規を選ぶ理由の多くは子育てや介護であり、妊娠、出産、育児を理由に仕事を辞める女性は非正規労働者が圧倒的に多いというのが実態です。参考人からは、日本では子供を育てることがペナルティーになっている、こうした状況を改善するために雇用機会均等法の強化を求める、こうした提案もありました。介護を受けることができない状況が介護離職やヤングケアラー問題につながっており、参考人からは介護体制の充実を求める意見がありました。
コロナ禍で家庭での性暴力被害が増え、家が必ずしも安心、安全な居場所ではないという子供たちがいる中で、参考人からは、一時的に避難できるような場所の拡充が必要という意見がありました。性の問題は虐待やDV、性暴力など多くの問題とリンクしており、参考人からは、ジェンダー平等の実現が様々な問題の解決にもつながるという話がありました。
女性が非正規を選ばざるを得ない実態から考えても、コロナ対策から考えても、構造的な問題の転換のためにもジェンダー平等の実現が必要だということを指摘しておきたいと思います。
先日、保護者や教職員の長年の運動と幅広い世論によって小学校における三十五人学級が実現をしました。小学校全体で学級規模を縮小するのは四十年ぶりのことです。子供たち一人一人に向き合えるように、制度の更なる拡充と教員や養護教諭を増やすことが必要です。参考人からも、先生の負担を減らし教員を増やすことは、子供が育つ環境づくりという意味で極めて重要という意見がありました。特別支援学校でも、在籍する子供たちが増える一方で、学校数が足りず、一つの教室をカーテンで仕切って使うといった実態が問題になる中、参考人からは、基準の策定に当たって活動が十分できるようにという意見がありました。
コロナ禍で中小事業者やフリーランスの方々も大きな打撃を受けています。参考人からは、フリーランスにも国民健康保険の傷病手当金の支給を求める意見が出されました。中小事業者は地域の雇用と経済を支え、防犯や見守り、コミュニティーの場、お祭りといった文化の担い手など、重要な役割を果たしています。事業継続のための直接の支援が必要です。
技能実習生や外国人労働者の実態も深刻だということが明らかになりました。解雇や休業手当の未払などによって困窮をし、生活ができない、借金の返済に困るといったことが起きています。参考人からは、技能実習生をめぐって、労働者として権利を主張できるようになっていないことがコロナ禍で問題が起きることにつながっている、こうした指摘もありました。
コロナ禍から国民の命と暮らし、雇用となりわいを守ること、コロナ禍で明らかになった社会の弱い部分を大本から変え、「誰もが安心できる社会の実現」に向けて政治が役割を果たすよう私も力を尽くす決意を述べて、意見表明といたします。