2023年5月17日(水) 参議院 外交・安全保障に関する調査会
3年間を通じたテーマ「21世紀の戦争と平和と解決力ー新国際秩序について」について1年目の調査会活動について 意見交換
日本共産党の岩渕友議員は17日、参院外交・安全保障調査会で、「戦争防止のための要件」「軍縮・不拡散」等の5つのテーマで行った1年目の調査活動を踏まえて意見表明しました。
同調査会は「21世紀の戦争と平和と解決力―新国際秩序構築」を3年間のテーマとして調査活動を続けています。
岩渕氏は、米中対立があおられ不安の声が広がるもと、日本は憲法9条を持つ国として徹底的な外交努力で問題の解決にあたり、そのための積極的な役割を果たすことが重要だと主張しました。
岩渕氏は、政府が軍事費を5年間で43兆円に増やそうとしているが、「ちょっと度を越えているのではないか」との参考人の指摘をあげ岸田政権の大軍拡路線を批判しました。
岩渕氏は、戦争をさせないために東アジアに平和の枠組みを構築することが必要だと主張。沖縄県のデニー知事が、中国や台湾、アメリカなどと独自に対話を始めているとの外交努力の例を紹介し、核兵器禁止条約に、日本も署名・批准すべきだと強調しました。
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2023年5月17日(水) 参議院 外交・安全保障に関する調査会
3年間を通じたテーマ「21世紀の戦争と平和と解決力ー新国際秩序について」について1年目の調査会活動について 意見交換
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
本調査会では、「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序構築~」をテーマに、5回の参考人質疑を行ってきました。
ロシアによるウクライナ侵略から1年余り、米中の対立があおられ不安が広がる下で、政府が安保三文書を閣議決定し、軍拡財源確保法案や軍需産業支援法案などの審議が行われる中でこの調査会が開催をされてきました。
参考人質疑を通して、日本は、憲法九条を持つ国として徹底的な外交努力で問題の解決に当たる、そのために積極的な役割を果たすことが重要だという思いを強くしています。
5年間で43兆円という大軍拡について、元海上自衛隊幹部の香田参考人からは、老齢化社会を迎える日本の中で、日本の経済力、技術力、社会構造を考えたときに、ちょっと度を超えているのではないか、国を守ろうとして社会の体力を奪ってしまうのではないかという指摘がありました。世論調査の結果を見ても、同じような懸念を国民の皆さんが持っているということだと思います。
外交の努力という点では、戦争をさせないために東アジアをどういう地域にしていくのか、そのために日本がどういう役割を果たしていくのかが問われています。
青山学院大学名誉教授の羽場参考人からは、日本列島が極めてアジア大陸に接近している中で、仮想敵というのが明らかに指名されながら、その最前線になっていくということは、どのような立場であっても日本国民を危機にさらすことになるので、それを果たして分かった上で受け入れられているのかというところも含めて緊急に議論していく必要があると思うという意見が述べられました。
加えて、平和をつくっていくために市民や自治体にもできることがあるということで、沖縄県の玉城知事が独自にアメリカ、中国、韓国、台湾との対話を始めていることも紹介をされました。こうした取組にも学ぶことが重要だと考えます。
あさってからG7広島サミットが開催をされます。核兵器の惨禍を人類が二度と起こさないとの誓いを示したいということで広島での開催が決定をしました。唯一の戦争被爆国として、被爆の実相を知らせ、核兵器のない世界に向けて日本が果たす役割は大きいものがあります。
軍縮・不拡散について意見を伺った2月15日の調査会で、核兵器をめぐる問題について質問をしました。被爆の実相を世界に伝えるということで、広島と長崎で被爆をされた方々が重要な役割を果たしてこられました。3人の参考人の皆さんそれぞれから、被爆者だけではなくNGOも含めて大変な努力をしてこられたと、その努力は高く評価されるべき、唯一の戦争被爆国としての使命があるので大いに盛り上げてもらいたいとか、1人でも多くの人にこの問題を知ってもらう、重要性を知ってもらうことが大事とか、被爆者のいない時代が近づいていることを考えると、次世代の方々、若者も含めて、核兵器の問題は過去の問題ではなく現代の問題、今ここにある危機、我々の問題だ、支援も含めて日本政府の役割は非常に大きいといった意見が述べられました。
世界では、核兵器禁止条約への参加が広がっています。日本も条約に署名、批准をするべきです。
最後に、日本は憲法9条を持つ国として徹底的な外交努力で問題の解決に当たる、そのために積極的な役割を果たすことが重要だということを重ねて述べて、意見表明とします。