
参院資源エネルギー・持続可能社会調査会は13日、国際情勢の変化とエネルギー安全保障(エネルギー安全保障の確立と持続可能社会の実現)をテーマに参考人質疑を行い、日本共産党の岩渕友議員が質問しました。
岩渕氏は、中小水力発電など「山の国内資源」をどう活用するかが重要だと主張している日本総研創発戦略センターの瀧口信一郎シニアスペシャリストに、エネルギーの地域内経済循環についての見解を求めました。
瀧口氏は、東日本大震災後にドイツで視察したシュタットベルケ(自治体出資の公社)から、地域の電力やガス、水道など公益的事業に取り組み、地域経済を支えていることを学んだと説明。「エネルギー費用が外部に流出している状況から、地域主体で取り組むことにより、地域内の経済循環のきっかけになり、非常にプラスになると確信している」と答えました。
早稲田大学理工学術院の所千晴教授は「このまま人類がやみくもに汚してしまえば地球が悲鳴を上げるというような警鐘が鳴らされるようになった」とし、さまざまな循環に価値を見いだし経済性を持たせるサーキュラーエコノミー(循環経済)の重要性と課題について述べました。
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221-参-資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会-004号 2026年05月13日(未定稿)
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
今日は、三人の参考人の皆様、本当にありがとうございます。
初めに、山地参考人にお伺いをするんですけれども、先ほどの質問とちょっと重なってしまうかなと思うんですが、今政府が石炭火力発電所でのアンモニア混焼を位置付けて実証事業が進められています。
それで、前回の参考人質疑でNPO法人国際環境研究所の山本社長がいらっしゃって陳述をされたんですね。で、委員とのやり取りの中でこのアンモニアをめぐるやり取りがあって、山本所長が、このアンモニアの発電コストというのは非常に高いんですと、アンモニアの原料になる水素がその天然ガスや石炭から作られていて二酸化炭素が出てしまうと、だから二酸化炭素を地中に埋めることが必要になるんだけれども、そういうことを考えると実用的ではないということになると、アメリカやヨーロッパでもコストが高くて需要がないという悩みに直面をしていて、果たして需要がどれぐらい出ているかよく考えなければならないというようなお答えだったんですね。
そのアンモニア混焼とかCCSということについて、その経済合理性という観点から見てどうなのかということで、参考人の御意見をお伺いできればと思います。
○参考人(山地憲治君) 御質問ありがとうございます。
まず、RITEのシナリオ分析のモデルの説明をしておく必要があると思うんですけれども、RITEのモデルは最適化モデル、コスト最小で実現する結果を出します。そのときに、CO2の排出制約を課します。まあ時系列もありますから複雑なんですけれども、その中で結果として得られたものがシナリオとして出されている。その中で、二〇五〇年カーボンニュートラルという制約を課した下での最適化計算をすると、アンモニアが発電用に使われるということに結果として得られているわけです。
どういうことかというと、アンモニアは窒素と水素なんですけれども、水素はですね、先ほどもちょっと質問がありましたけど、現状では化石燃料から作ってくるんですけれども、脱炭素という要件が付いたときの燃料としてのアンモニアの場合には、水素も水の電気分解であるとか、あるいは化石燃料から作るけれども、途中でCCSでCO2を地中に埋めるとか、そういうCO2フリーの水素を使います。そうなると、高いんですけれども、二〇五〇年カーボンニュートラルという目標は非常に厳しいものだから、しかも我々のモデルは原子力に上限を課しています。政府の上限である二〇%か一〇%を課すと、それ以外のもので、再エネは自然変動でコストも掛かってきます。そうすると、輸入しなきゃいけないんだけど、アンモニア、そういうCO2フリーの水素を使ったアンモニアが最適化の結果として選ばれておるということです。
ただ、これをグローバル全体で二〇五〇年カーボンニュートラルにして、日本はそういうことにしないと、日本ではアンモニアまで使うようなコストの高い技術は採用されないと、そういう結果が得られることになります。
よろしいでしょうか。
○岩渕友君 ありがとうございます。
次に、所参考人にお伺いします。
今アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃でホルムズ海峡が封鎖をされるということで、原油が高騰したりナフサにも影響があるということで、それが暮らしとかなりわいにも深刻な影響を与えています。今こそ、この資源循環型社会に向けて取組を進めていくときだというふうに思うんですね。そのときに、企業が社会的責任を果たすということが大事だと思っています。つまり、拡大生産者責任ということなんですけれども、ヨーロッパでは進んでいるんだけれども日本では余りうまくいっていないというふうに聞いているんですけれども、これがどうしてなのかということと、あと、ヨーロッパでは、その経済の仕組みとして、例えばごみそのものが生まれにくい社会構造に変える実践が行われているというふうにも聞いているんですね。経済の仕組みとか社会の仕組みそのものを変えていくということが必要だというふうに思うんですけれども、そのために国がやるべきことについて、参考人の御意見、是非お聞かせください。
○参考人(所千晴君) ありがとうございます。
ナフサとかプラスチックの話になりますと、さっき私がここで例に挙げた自動車やリチウムイオン電池に比べますと大分、一般消費者から出てくる廃棄物というのが対象になってくるという意味で、少し日本でも状況は変わってきます。それで、海外の方がうまくいっているかどうかというのは、いろんな見方がありますので、私は一概にそういうことでもないとは思っていますが、ただ、そういう面があるとすれば、日本の特殊性というのは、やはり一般市民から出てくるものはいわゆる環境財政、あっ、環境の、環境省の管轄であって、自治体が集め、そして焼却をして、しっかりと適正処分するというシステムができ上がっていて、そこに対して、そこからリサイクルであるとか企業活動をするというのがまた違うカテゴリーになるという、ここは日本の仕組みの特徴的なところだと思います。
ただ一方で、消費者が非常にきちんとプラスチックをちゃんと分離をして資源循環に持っていくという気質は日本はすばらしいものがありますから、ここは、そういった消費者から出てくるプラスチックもしっかりと分離した後、ケミカルリサイクルに持っていくような、自治体も含めて、仕組みづくりというのは日本でも進んでいく土壌はあると思いますし、これからそれが進んでいく必要があると思っています。そのためには、やはり広域に質の良い分離されたプラスチックをしっかりと集めるという、そういう仕組みづくりが必要になってきます。
○岩渕友君 ありがとうございます。
次に、瀧口参考人にお伺いをします。
私も、各地でバイナリー発電とかバイオガス発電など、その地域固有の資源を生かした再生可能エネルギーの取組が地域で雇用を生み出したり、経済を活性化させている事例について調査をしてきていて、エネルギーの地域内経済循環の重要性というのを実感してきています。参考人からは、水力発電とかバイオマス発電といった山の国内資源の発電量を増やすべきというお話があったかと思うんですが、この山の国内資源を活用するということは、その人口減少が今進む中山間地域で新たな仕事をつくったり、農業や地域経済の活性化にもつながるものだというふうに思います。
参考人がこのエネルギーの地域内経済循環についてどういうふうに考えていらっしゃるか、山の国内資源を活用するに当たって、国にもっとこういうことが是非してほしいという要望があればお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(瀧口信一郎君) ありがとうございます。
私がこういうことをやり始めた最初の最初というのは地域エネルギー事業というのからなんです。震災直後ぐらいにドイツに行っていろいろ見て、当時、広域送電網みたいな、ああいう風力の提案とかもしたりしたんですけれども。そういう中で、ドイツに行ってるときに何か、シュタットベルケ、シュタットベルケと言うんで、そこだけドイツ語を言う人がいて、何だろうなと思ってから興味を持ったんですけれども、地域のエネルギー会社というか、正確には地域の生活インフラサービス会社で、電力もガスもやっていますし水道もやっている、廃棄物も扱っているし、もう場合によっては劇場とかもやっているような、地域の経済を支えるような主体だったということで、こういうものをやっていくべきだなと思ったのがきっかけなんですね。
結局、その外側に全部出しちゃうと、外から物が供給されてお金を引っ張り出されてしまうという構造になるので、やっぱり地域側に経済的な主体を置かないと地域の経済は良くならないなと。幾ら、何というんでしょう、昔、地方分権とかありましたけど、そんなことを言って予算を付けても、誰もいない、経済的に回す人いないってなると全然回っていかないので、それをつくるためには、エネルギーというのは非常にキャッシュフローの大きなビジネスなので、それを基盤にして経済を回していけるんじゃないかというふうに思い始めたというのがきっかけです。
だから、それのために使えるものというのはいろいろあると思います。言われたように、結局、産業連関分析で経済波及効果を出すのと同じ、実は昔、鳥取市で出したことはあるんですけど。地域内に会社があると、そこの資源を使う、バイオマスだったら地域の資源を使うし、そこの人が働くし、もうかった人が飯屋で食べるということになって、どんどん循環していくという構造があって、そういう構造を動かしていくためのきっかけだと思っています。
だから、そういう意味で、非常に必ずプラスになるという私は確信を持ってやっております。
○岩渕友君 ありがとうございました。以上で終わります。