東京電力福島第1原発事故に伴うシイタケ原木への損害賠償を巡り、経済産業省が事実と異なる資料を作成していた問題で、日本共産党の岩渕友議員は8日の参院の決算、行政監視両委員会で政府の責任を追及し、東電に全面賠償を果たさせるよう求めました。
経産省は資料に、避難区域外での追加賠償を求める福島県森林組合連合会(県森連)と東電の調整状況について「県森連会長、事務局が一定の理解を示している」と記載していましたが、実際は東電の情報だけでまとめた内容でした。
岩渕氏は決算委で、東電を指導・監督する経産省として「あってはならず許されない」と追及。「重く受け止める。被災事業者に向き合った対応を徹底していく」と答弁した赤沢亮正経産相に対し、被害者への全面的な賠償に最後まで責任を持つよう求めました。
岩渕氏は行監委で、被害者に寄り添わない姿勢が今回の事態を招いたと批判。福島県では会津の一部を除きシイタケ原木を出荷できず被害が続いており、県森連会長の「賠償を打ち切ろうとしている東電の説明は納得できない」との訴えも突きつけ、損害賠償に東電が応じるよう経産省が役割を果たすよう求めました。
その上で、商工業や農業などでも東電の不誠実な対応が続いているとして、賠償の総点検を要求。井野俊郎経産副大臣は「被災事業者の実態を把握したい」と述べるにとどめました。岩渕氏は「賠償が適切に行われていないことは問題だ」として重ねて総点検を求めました。
221-参-行政監視委員会-004号 2026年06月08日
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
東京電力福島第一原発事故に伴うシイタケ原木などの損害賠償をめぐって、避難区域外の地域での追加賠償を求める福島県森林組合連合会、県森連ですね、と東京電力との調整状況について、経済産業省が事実と異なる資料を作成していたということが六月二日付けの地元紙の一面で報道をされました。経産省の作成資料には、東京電力の考え方に対して県森連の会長、事務局が一定の理解を示しているなどの記載があるのですが、これが東京電力からの情報だけでまとめた内容だったというものです。
東京電力を指導監督する立場の経産省が、被害に遭っている当事者の話を聞くことなく、東京電力の言い分だけを聞いて事実と異なることを資料に記載するなど、あってはならないことです。県森連会長が、真意をゆがめられていて心外だ、こういうふうに述べているのは当然のことです。
なぜこのようなことが起きたのでしょうか。
○副大臣(井野俊郎君) シイタケ原木賠償についてですが、経済産業省の担当者が、福島県選出の議員に対しまして被災事業者であります福島県森林組合連合会の認識とは違う内容について説明をしてしまったということは事実でありまして、その点については本当に大変申し訳なく、また、大いに反省すべきことだと思っております。
今回の件の原因なんですけれども、被災事業者とも丁寧にコミュニケーションを取った上で福島県の選出議員の先生方等にも対応すべきであったにもかかわらず、そういった対応を怠ってしまったということが大きな原因であったというふうに思っております。
今後はこういうことがないように、きちんと現場主義を徹底し、被災事業者の皆様としっかり向き合って取り組んでまいりたいと思っております。
○岩渕友君 コミュニケーションを丁寧に取るべきだったというお話だったんですけれども、経産省から聞いて私すごく驚いたのは、ここ数年、県森連とコンタクト取っていなかったということなんですよね。今答弁あったように、コミュニケーションを丁寧に取られていなかったってことなんですよ。経産省が被害者に寄り添っていない。だから東京電力の言い分だけを聞いて資料を作るなどということが起きたんじゃないのかという思いでいっぱいなんですよね。
これ、経産省の姿勢がこれでいいのかということが問われていると思うんですよ。経産省の姿勢がこれでいいのかどうか、そのことが問われているという認識ありますか。
○副大臣(井野俊郎君) 本当に繰り返しで恐縮ですけれども、今回、本当に、十分なコミュニケーションを取れていなかったという点は大いに反省すべき点でございました。その点については、本当に、関係者の皆様に改めておわびを申し上げる次第であります。
そして、そういう疑念が持たれるような、まあ、これまで経産省としては、福島の復興に対して全力で取り組んできましたし、支援をしてまいりました。こういった一つのことでそういう姿勢が疑われてしまうということがないように、改めて徹底して現場主義の下で、皆さんとしっかりコミュニケーションを取っていきたいと思っております。
○岩渕友君 現場主義を徹底するということであれば、こんなこと起きなかったはずだと思うんですよね。
私も、県森連に伺ってお話をお聞きしてきました。福島県のシイタケ原木はとっても品質が良くて、事故前は全国に出荷をされていたということなんですね。それが、原発事故で一気に失われたというわけなんですよ。現在出荷をできているのは会津の一部だけで、中通り、浜通りは出荷できない、そういう状況が続いている、つまりは被害が続いているということなんですね。会長は、事故から十五年たってもなお森林所有者や林業に関わる事業者が大きな打撃を受けているにもかかわらず賠償を打ち切ろうとしている東電の説明は納得できない、こういうふうにおっしゃっているんです。
損害賠償をめぐる県森連と東京電力との協議は平行線が続いているということなんですけれども、この問題について、経産省としては今後どのように対応しようというふうにお考えでしょうか。
○副大臣(井野俊郎君) 今回のシイタケ等の損害賠償の案件については長きにわたり調整を要しているということなんですけれども、こういった事情が、損害の立証は難しいだとか、シイタケ原木特有の問題等があるというふうに認識しております。とはいえ、引き続き、経済産業省としては、具体的な被害状況をしっかりと確認した上で、適切な賠償がなされるように東京電力を指導してまいりたいというふうに思っております。
また、福島県がシイタケ原木の一大供給地であったことを踏まえて、福島県のシイタケ原木のなりわいの復興、発展に資するような方向性でこのような問題を解決していくことを目指していきたいと思っております。
○岩渕友君 森林組合が求めている追加賠償、これがきちんと行われるように経産省が役割果たさなくちゃいけないというふうに思うんですね。
それで、東京電力は損害賠償に当たって、最後の一人まで賠償を貫徹すること、迅速かつきめ細やかな賠償の徹底、和解仲介案の尊重という三つの誓いを掲げているんですね。このとおりの賠償を東京電力がやるというのは当然のことなんですけれども、このとおりの賠償を東京電力にやらせるという責任がやっぱり経産省にあるんだということだと思うんですね。
商工業や農業などの損害賠償をめぐって、政府と東京電力との交渉に私自身も何度も同席をしているんですけれども、東京電力が、その損害というのは相当因果関係がない、こんなことを言って賠償をしないとか、損害賠償するというふうになってもなかなか支払われない、こういう不誠実な対応がずっと行われてきているんですね。これで経産省が指導監督の責任を果たしていると言えるのかということだと思うんですよ。私、とても言えないというふうに思うんですね。
今回のようなことがほかの損害賠償をめぐっても起きているんじゃないのかということで、私、大変心配なんですよ。これ、損害賠償が適切に行われているかどうか総点検する必要があると思うんですけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(井野俊郎君) 賠償については、今もなお原子力発電所事故の影響が残っている現場の実態をしっかりと把握した上で、被災事業者に向き合って適切に行われているということが重要であると我々も考えております。
これまでも、被災事業者や関係団体などが参加する福島県原子力損害対策協議会や廃炉・汚染水・処理対策福島評議会などの場において、経済産業省としては現場の御意見を直接伺ってきたところでございます。今回の件についても改めて対応をしっかりと改めていくとともに、引き続きこうした場を通じて被災事業者の実態を適切に把握してまいりたいと思っております。
○岩渕友君 賠償が適切に行われていないから問題なんですよね。これ、総点検する必要やっぱりあると思うんですよ。これ、総点検するよう強く求めておきたいというふうに思います。形だけの指導や監督ではやっぱり駄目なんだと思うんですね。東京電力に全面的に賠償の責任を果たさせること、このことを求めるとともに、やっぱり原発はゼロの決断をして、省エネ、そして地域と共生する再生可能エネルギーへの転換強く求めたいというふうに思います。
最後に、宮城県の塩釜港で宮城海上保安部の巡視船による重油流出によって養殖ノリやワカメなどに発生した被害の賠償をめぐる問題について質問をします。
事故から二か月余り、ノリやワカメの処分費用はようやく払われたんですけれども、販売できなかったことによる逸失利益についてはいまだ賠償されていないんですね。二か月以上も収入がない。漁師さんによっては、年に一回のこの時期の収入が生活を支えているという方もいらっしゃいます。
大臣にお伺いをするんですが、これ早急に賠償を行うべきです。いつ払われるのでしょうか。包装、運送、販売など関連産業の被害についても調査をし賠償することが必要ですが、どうなっているでしょうか。そして、二か月以上たっても、なぜこんな事故が起きたのか原因が明らかにされていません。早急な原因の究明求められていますが、いつになったら原因が公表されるのでしょうか。
○国務大臣(金子恭之君) まず冒頭に、海上保安庁の巡視船から大量の油を流出させましたことを大変遺憾に思っておりますし、地元の皆様に多大なる御迷惑と御心配をお掛けしておりますことを心よりおわびを申し上げたいと思います。
海上保安庁には地元の皆様からの要望に誠実かつ迅速に対応するよう指示しているところでございますが、特に漁業者の皆様にとって最も大切な漁獲物の逸失利益の賠償につきましては六月中にお支払いする予定であると報告を受けております。
このほか、漁獲物の処分に係る費用につきましては、立替えいただいた関係者へ五月の二十九日にお支払をした上で、今後は、漁業者に負担をお掛けすることがないよう、海上保安庁が直接処分業者と契約をいたしまして支払う手続を完了しております。
さらに、油で汚染された漁具の洗浄が七月末には完了する見込みであり、そのうち処分が必要となった漁具については、海上保安庁が直接処分業者と契約して支払う手続を行う方針であると報告を受けております。
○委員長(芳賀道也君) 時間ですので、お答えは簡潔にお願いします。
○国務大臣(金子恭之君) 漁業者のみならず、被害に遭われた水産加工業者や観光業者等の方々からも既に御相談を受けており、今後速やかに損害査定などの対応を進めてまいります。
原因究明につきましては、同様の事故を起こすことがないよう、海上保安庁において、ソフト、ハードの両面から調査を慎重に進めてきたところであります。一刻も早く原因を究明し、漁業者や関係者の皆様に対して再発防止策とともに丁寧に説明を実施するよう指示しております。
いずれにしましても、海上保安庁が地元の皆様に多大な御迷惑をお掛けしたことを重く受け止めまして、スピード感を持って対応を進めてまいります。
○委員長(芳賀道也君) 時間が参っております。おまとめください。
○岩渕友君 はい。
全ての損害に対する一刻も早い賠償の支払と原因の究明、公表を早急に行うことを求めて、質問を終わります。