日本共産党の岩渕友議員は9日の参院農林水産委員会で、米の需給緩和に伴って価格が急落していることに関連し、政府備蓄米の買い戻しとともに、逆ざやで大きな損失を被る事業者への支援を求めました。
政府は2025年、64万トンの政府備蓄米を放出。輸入米が増えたことも手伝って、民間の米事業者の在庫は5月末の時点で前年同月比74万トン増の223万トンと、過去最大の水準です。
岩渕氏は一刻も早い備蓄米の買い戻しを求めるとともに「米の業者からは、現時点で在庫があふれて秋に新米を入れる場所がないという声も寄せられている」と指摘。「宮崎の早場コシヒカリの集荷の価格が急落をしている。60キロ1万8000~1万5800円の値がついたとのことだ。このまま政府が手を打たなければ、農家や業者が甚大な損害をかぶることになる」と強調しました。
岩渕氏は「このままでは4万円近くで仕入れたものを1万円台で売らなければならないと米の業者から悲鳴が上がっている」と指摘。「小泉前農水相は価格を下げると明言して備蓄米を放出した。これを全国の米の業者の経営判断、自己責任と言うわけにはいかない。政府は責任を逃れることはできない」と支援を求めました。
日本共産党の岩渕友議員は9日の参院農水委員会で、南米南部共同市場(メルコスル、南米5カ国による関税同盟)と日本との経済連携協定(EPA)の交渉開始が発表されたことを受け、「農業と国民の利益を根本から脅かしかねない」と指摘し、交渉の中止を求めました。
岩渕氏は、外務省公表文書に「メルコスル側からは日本の農林水産品への市場アクセス改善が主要な関心であることを強調」とあることを示し、交渉対象となる関心事項のリストを示すべきだと求めました。
鈴木憲和農水相は「外交上のやりとりについて言及することは差し控えたいが、センシティビティー(関税など保護が必要な品目)に配慮して国益にかなう交渉にしたい」と述べるのみでした。
岩渕氏は、環太平洋連携協定(TPP)、日欧EPAなどが、自由化の水準を世界貿易機関(WTO)から格段に広げ、日本の農業の存立基盤を掘り崩すものだったことをあげ、相手方の関心事項、交渉による影響試算など、節目ごとの情報公開を要求。産業界の要望実現のために、国の農業を差し出すことは許されないと強調しました。
221-参-農林水産委員会-014号 2026年07月09日(未定稿)
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
初めに、私からも、日本、メルコスールの経済連携協定、EPA交渉について質問します。
六月末、メルコスールの首脳会談で、日本とのEPA交渉開始が正式に発表されました。大臣は、日本の食料安全保障に影響を及ぼすことがないように対応したいと述べ、高市首相も、農畜産物を始め、国内の生産現場に強い不安を感じる声があることも十分に理解していると述べていますが、相手国は農業大国のブラジルを含む国々なわけです。
外務省公表の日・メルコスール戦略的パートナーシップ枠組み第二回会合の開催概要には、メルコスール側からは、日本への農林水産品への市場アクセス改善が主要な関心であることを強調とあります。つまり、相手側の関心事項は、農林水産分野ということなんですよね。これ、関心事項のリストを示すべきだというふうに思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。
枠組み会合におきまして、メルコスール側が日本への農林水産品の市場アクセスに関心があると発言をしたことは承知をしております。
その具体的な関心品目につきましては、今後の交渉の中で正式にリクエストされるものでありますが、その内容について、これは外交上のやり取りを含むことになるため、私から言及することは差し控えさせていただきます。
○岩渕友君 TPPや日欧EPAなど、その自由化の水準をWTOから格段に上げて、我が国の農業の存立基盤を一層掘り崩すものとなりました。メルコスールの国々は、牛肉や豚肉、砂糖など、農産物の輸出大国であり、全国の農家が大変不安に思っているわけですよね。
TPP交渉のときも、交渉の過程は明らかにされないまま締結をされました。農業と国民の利益を根本から脅かしかねない協定であり、相手方の関心事項、そして交渉による影響試算など、節目ごとの情報公開やるべきだというふうに思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) この先方の具体的な関心事項や影響につきましては、現時点でお答えすることは差し控えさせていただきますが、ただ、農林水産大臣としてあえて申し上げますと、何度も言っているんですけれども、重要五品目始めとした農林水産物のセンシティビティーについては、十分な配慮を行った上で、様々な現場のお声もあるのもよく分かっておりますので、政府一体となって、国益を守るべく対応させていただきます。
○岩渕友君 自動車など工業製品と引換えに日本の農産物を売り渡す際限のない自由化が行われてきたわけですよね。日・メルコスールEPA交渉は、産業界、経済界が長年にわたって政府に働きかけてきたものです。これ、配慮などと言うわけですけれども、これまでのこと考えれば、これ、とっても信用できないということだと思うんですよ。これ、交渉中止を求めて、次の質問に移りたいというふうに思います。
次に、クビアカツヤカミキリの対策について質問をしていきます。
クビアカツヤカミキリは、梅や桃、桜などの木に卵を産み付けて、幼虫が木の内部を食べて枯らしてしまうということから、特定外来生物に指定をされています。
十七都府県に被害が確認をされて、七日に山梨県でも初めて成虫を確認というふうに報道をされています。私の地元の福島県はまだ確認されていないんですけれども、全国有数の桃の産地でもありますので、非常に心配をしています。
五月に和歌山県に調査に行きました。梅農家の方々や県からも話を伺ってきました。和歌山県は、御存じのとおり、全国の収穫量の約六割を占める日本一の梅の産地です。二〇二一年度末には五百十一件だった被害は、二五年度末で一万二千百八十二件と四年で約二十四倍にもなっているんですね。県内の梅の一大産地であるみなべ町と田辺市の手前まで迫っているということに危機感が広がっています。関連産業も多いので、地域経済、そして県全体の問題になっています。
六月二十五日、和歌山県の梅、奈良県の観光名所である吉野山、大和高田市の高田千本桜の被害について、我が党の地元の皆さんと、大臣にも宛てて対策の抜本的強化を求める要請を行いました。
クビアカ対策として、農水省には、果樹経営支援対策事業、果樹未収益期間支援事業と、消費・安全対策交付金のうち、重要病害虫の特別防除等があります。この二つの事業は同時に使えるということでいいかを確認したいと思います。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。
クビアカツヤカミキリにつきましては、国内の果樹農業にとりまして重大な影響をもたらしかねない害虫であると認識しております。
このクビアカツヤカミキリの蔓延防止のため、樹園地などにおきまして被害を受けた木の伐採、あるいは伐採木の破砕処理などを消費・安全局の消費・安全対策交付金によって支援をしているところでございます。その交付金を活用して伐採した後に、園地の再生に向けて新たな果樹を定植する場合、果樹農業生産力増強総合対策により、苗木等の定植に要する経費の支援に加え、定植後の管理経費につきましても支援が可能となっております。
○岩渕友君 同時に使えるという御答弁だったんですけど、和歌山県では同時に申請している方がいないということなんですね。是非、他県も含めて、周知、働きかけしていただきたいというふうに思います。これ、要望しておきます。
話を伺った園地では、懸命な対策が行われる一方で、お隣の園地は遠目から見ても分かるぐらい幼虫が出すフラスがもう大量に付着している木が何本もあって、これもう大繁殖しているわけですよ。これでは、どんなに対策を取っても意味がなくなってしまうと思うんですね。
放棄地になっているとか、持ち主が高齢とか、空き家の梅や桜など、様々な理由で対策が取れていないところがあるんですね。行政であっても個人の園地での防除は行うことができません。植物防疫法の緊急防除の適用を検討する必要があるのではないでしょうか。
○政府参考人(坂勝浩君) お答え申し上げます。
御指摘のありました緊急防除につきましては、植物防疫法の規定において、新たに国内に侵入し、若しくは既に国内の一部に存在している有害な動植物が蔓延して有用植物に重大な損害を与えるおそれがある場合、又は有害動物若しくは有害植物により有用な植物の輸出が阻害されるおそれがある場合において、これを駆除し、又はその蔓延を防止するため必要があるときは防除を行うものとするとされているところでございます。
この緊急防除を実施する場合は、まさに御指摘のありました財産権を制限する栽培制限や移動制限等の措置を実施するものであることから、その是非につきましては、有識者の意見も踏まえて慎重に判断することとしております。
他方で、この場合、農薬などでそれを、防除を実際する、行うに当たっての防除マニュアル、これについても作成されておりますことから、そういったものを活用して、具体的な防除を効率的にやっていくことが必要であるというふうに考えております。
○岩渕友君 これ、検討する必要あるというふうに思うんですね。
それで、外来生物法で対応できるというふうに聞きましたけれども、これまで一度も使われていないということなんですね。自治体からの問合せはあるということなんですが、それを待つんじゃなくて、環境省の側から自治体に積極的に働きかける、制度を周知するなど必要だというふうに思うんですけれども、森下環境大臣政務官、いかがでしょうか。
○大臣政務官(森下千里君) お答えいたします。
御指摘のとおり、外来生物法には、国又は地方公共団体が特定外来生物の防除等を行う場合に、その必要な限度において、事前の通知等を行った上で、職員等が他人の土地に立ち入って、防除や捕獲等の支障となる木の伐採等をさせることができるという規定が設けられております。
この外来生物法に基づく特定外来生物の防除につきましては、これまでも土地所有者等の協力を得て防除を実施してきているものと承知をしております。今後とも、御指摘の規定の活用状況の実態把握に努めつつ、必要に応じて当該規定の活用を促すとともに、地方公共団体等から御相談があれば必要な助言を行ってまいりたいと考えております。
なお、私も大変これは問題だと思っておりまして、被害に遭われておられる現場を見に行く予定となっております。しっかりと、関係されておられる皆様方から御意見等も頂戴いたしまして、適切に対応してまいりたいと考えております。
○岩渕友君 是非御対応いただきたいと思うんですが、やっぱり、地域が一体になって取り組まないと被害が広がるばっかりなんですよね。なので、プッシュ型の対応を強く求めておきます。
クビアカ対策に森林環境税を使うことができるというふうに聞いているんですけれども、自治体から使えないと言われたという訴えが寄せられているんですね。これ、自治体への周知必要だと思うんですよ。これ、どうやって周知をしていくんでしょうか。
○政府参考人(小坂善太郎君) お答えいたします。
森林環境税については、市町村の裁量により、森林の整備及びその促進に関する施策の財源として活用いただくことが可能でありまして、クビアカツヤカミキリについても、地域の実情に応じて、例えば桜等の森林被害の対応に使うということであれば活用可能でございます。
こういった森林環境税の活用事例については、使途の例をリスト化して公表するとか、さらには全国の優良事例を収集して共有するとか、そういう取組を進めておりまして、その中で森林病虫害対策にも使えますよということは位置付けておりますので、引き続き周知に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○岩渕友君 よろしくお願いしたいと思います。
それで、早期発見、早期駆除が大事なんですね。
防除対策は、薬剤とかネットで木を覆うとか、複数の方法を組み合わせて行われています。木の幹を蛍光イエローで塗装すると被害を抑えられるなど、自治体での研究も進められているんですけれども、根本的な対策がないので、これ研究を急いで進めてほしいと思うんですね。
そして、埼玉県内の自治体では、成虫を駆除した人に奨励金を交付する事業が行われるなど、各地で様々な取組が行われています。住民、子供たち、観光客など、もうあらゆる人の手を借りて、もう見付けてもらう、そして駆除してもらうという必要があるんですね。これ、取組大いに広げるべきだと思うんですよ。そのためには予算が必要なんですね。
環境省はもちろんなんですけど、これ農水省の予算も含めて大幅に増やすべきだと思うんですけど、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 私も二年前だったか三年前だったか、ちょっと忘れちゃったんですけれども、大阪の狭山市で桜の木がすごい植わっているところで、これ、クビアカツヤカミキリひどいから一回見てくれと言われて見たことがあります。現場に行ったら、ネットを張られていて、虫もいるんですよ、結構大きいんですよね、あの虫が。その当時は、たしかその大阪の方から言われたのは、要は和歌山が梅の産地なので、桜の木は何かを生産するというわけじゃないけど、やっぱり梅に大打撃を与えますよという話と、それがまた北上してくると、結果としては、それは山梨もそうだし、福島もそうですけど、桃の産地、うちだってサクランボあるわけですよねというふうに、この果樹の産地に本当に大きな影響を及ぼしますよというお話をいただいて以来、有効な対策が正直言ってほとんど打てていないというふうに感じています。
当時も、たしか農林水産省に、これ何ができるのかというのを聞いたら、樹幹注入剤というものがあるんだけれども、これが結構高いんですね、高いからなかなか一本一本全部打つとすごい費用になっちゃうという課題があったりとか、だから、結局捕るしかないんだという話になっちゃっていて。
ですので、今ちょっと先生からもこの御指摘をいただいて、このままほっておいていいとは全く思いませんので、森下政務官が現場見に行かれるということだったので、ちょっとまずは我々の政務の誰かも、森下政務官と一緒にちょっと現場を見させていただきます。その上で何ができるか、ちょっとしっかり考えさせていただきたいと思います。
○岩渕友君 ありがとうございます。
予算を是非抜本的に増やして徹底的な対策を行っていただきたいということをこれも強く求めておきたいと思います。
次に、おとといの続きで質問したいと思うんです。
宮崎の早場コシヒカリの民間の取引価格、買取り価格が急落をしています。七月二十四日まで一万八千円、八月十四日以降は一万五千八百円とのことです。これ、税込みでこの価格なんですよね。
政府が対策を打たなければ、更に下がる可能性があります。現時点で在庫があふれて、秋に新米を入れる場所がないという声も寄せられています。お米屋さんの店頭価格は三月頃からどんどん下落をして、七年産米は一万円ほどになるかもと多くの米業者が悲鳴を上げています。この状態は政府が引き起こしたものなんですよね。このままではその被害を農家や業者がかぶるということになります。
大臣は、機動的というふうに繰り返していますけれども、これ何も変わっていないということなんですよ。多くの関係者が悲鳴を上げているのに、私たちが警告をしているのに、それでも見ているだけということだったらば、おととしと同じということになっちゃうんですよね。
現状の調査をしているのでしょうか。農家、集荷、卸、小売の状況を聞いて回っているのでしょうか。私たちが警告をした二四年の春の状況と何が変わっているのでしょうか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 米の価格につきましては、生産、卸の段階において、年間取扱数量五千トン以上の集荷業者を対象にした集荷時の概算金、そして、集荷業者と卸売業者との間で取引される際の価格である相対取引価格を調査するとともに、小売段階については、POSデータに基づくスーパーでの販売価格を把握をしております。私自身もスーパーに出向きまして、こっそり見ております。これらの調査に加えて、米取引関係者の需給動向などの判断に関する調査、小売物価統計や業界紙などの情報、さらには関係者との意見交換等を通じて価格動向を把握しているところであります。
○岩渕友君 政府が放出した備蓄米は、集荷業者や大手小売業者には回りましたけれども、卸売業者や小規模小売業者には回っていません。だから、高くても七年産を仕入れなければならなかったということです。で、四万円で仕入れたものを一万円で売るしかなくなる。これは、もう政治の責任としか言いようがないわけですよね。全国のお米の業者さんの経営判断による自己責任というわけにはいかないということだと思うんです。少なくても小泉前大臣は価格を下げると明言して放出をしたわけですから、政府はその責任から逃れることはできないんですよね。
昨年五月、我が党の紙智子前議員が、放出によって安値で売らざるを得なくなれば、高値で仕入れた業者は窮地に陥ると指摘をし、被害を受けた事業者に対する支援が必要だと要求しました。小泉前大臣は、必要な支援は政府全体で考えていくことが必要だというふうに答弁しているんですよ。
大臣、これ、甚大な被害を受ける事業者の皆さんに支援が必要なんじゃないでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。
米の価格につきましては、需給バランスなどを踏まえて民間の取引環境の中で決まっていくものであります。今般成立した改正食糧法においては、需給の安定を図ることを通じて、結果として価格の安定化が図られていることが重要であるとの考え方を明記をした上で、需給の安定を図るために、需要に応じた生産の推進、多様化する流通実態の把握の強化、備蓄制度の見直しなどの措置を盛り込んでおります。また、食料システム法に基づき、持続的な供給に要する費用を考慮した価格形成を促すこととしております。
他方で、需要に応じた生産を行ってもなお需給緩和が生じた場合の対応については、主食用米を長期計画的に販売する取組を支援する措置を講じておりまして、これらにより政府として需給の安定を図っていきたいというふうに考えております。
○岩渕友君 これね、せめて検討ぐらいしてほしいということなんですよ。これ、お願いをしておきたいというふうに思います。
それで、最後に水田政策について質問をします。
食料・農業・農村基本計画には、水活の見直しや見直しに伴う既存施策の再編によって得られた財源を活用するとあるんです。これ、つまり、予算を増やさないということにしか読めないんですよ。先ほど舟山委員からもありましたけど、大幅な予算増、必要です。財務省がなどと言わずに、予算増やせという大臣の決断、これ重要です。大幅な予算増、是非行ってください。いかがですか。
○委員長(藤木眞也君) 時間が参りましたので、答弁は簡潔にお願いします。
○国務大臣(鈴木憲和君) はい。
新たな水田政策を実行するための予算につきましては、現場の皆さんから見て納得感のある形で、将来にわたり国民に食料の安定供給を果たせるように、必要な額の確保に努めてまいります。
○岩渕友君 水活を畑にも広げるということになれば、支援単価を実質的に下げるか支援対象を狭めるしかありません。これ、予算どうしても増やすことが必要だということを求めて、質問を終わります。