北海道コラム

2021.03.01 北海道コラム

観光と食の町、函館調査

 緊急事態宣言が出ていない地域でもコロナの影響は深刻。このことを、先日の函館市での調査でも、この間の聞き取りからも強く感じています。
 函館市は、観光、飲食、漁業など、第一次産業から第三次産業までがつながっています。ホテル旅館協同組合と湯の川温泉旅館協同組合から話を伺うと、「コロナ禍で宿泊客が減るなかで、胆振東部地震の耐震工事で億単位の借金がある宿もある。そこにコロナ禍が重なった」とのこと。「うちのホテルは朝食を朝市かホテルか選ぶことができる。朝市からの請求は月50万円から100万円だが、1月は2万2千円だった」という話には驚きました。その朝市に行ってみると、休業する店や営業時間を短縮している店、撤退した店もありました。お客さんも少ない。「何とかしてよ。頼むよ」とどこでも声がかかります。
 食の魅力も大きい函館市。飲食店の廃業が今後さらに出るだろうという話もうかがいました。事業者の方からは、「飲食店ばかりが悪者扱い」という声の一方で、「困っているのは飲食店だけではない」という声も出されます。政府の補償や支援策の不十分さが、事業者を分断することになっています。中小事業者が営業を継続することは、事業者だけの問題ではなく、雇用の維持や経済など、地域にとって重要です。要件を緩和した二度目の持続化給付金・家賃支援給付金の支給、支援の継続・拡充を強く求めていきます。