2020年5月27日(水) 参議院 国民生活・経済に関する調査会
3年間を通したテーマ「誰もが安心できる社会の実現」のうち、1年目のテーマ「困難を抱える人々の現状」について 意見交換
憲法生かし生活守れ
日本共産党の岩渕友議員は5月27日、参院国民生活・経済に関する調査会で意見表明し、コロナ禍で困難を抱える人々に矛盾が集中しているとして、憲法の精神を生かすことが重要であると主張しました。
同調査会は「誰もが安心できる社会の実現」を3年間のテーマとして調査活動を行っており、「困難を抱える人々の現状」について行った今年1年目の調査活動を踏まえて、委員間の意見交換を行いました。
岩渕氏は、シングルマザーの実態を紹介。子どもの貧困対策に取り組む団体が現金給付の上乗せを求める会見を行っていることにふれ、女性や子どもに矛盾と困難が集中しており、コロナ対策にジェンダーの視点が必要だと主張しました。
また、消費税増税の上にコロナの影響が重なったことが地域経済に深刻な打撃となったと強調。消費税率の引き下げとともに、不要不急の予算をコロナ対策にまわすように求めました。
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2020年5月27日(水) 参議院 国民生活・経済に関する調査会
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
本調査会は、「誰もが安心できる社会の実現」を大きなテーマとして、この一年目は「困難を抱える人々の現状」について参考人質疑を行ってきました。新型コロナウイルスの影響が国民生活に大きな打撃となる中で、その影響を最も受け、困難や矛盾が集中しているのが困難を抱える方々です。憲法の精神を生かして、誰もが安心できる社会の実現が今こそ大事になっていると考えます。
初めに、子どもをめぐる諸問題についての参考人質疑について述べます。
この質疑では、学校給食費を始め教育の分野で国の経済的支援を強めることが必要ではないかと、このようにお聞きをしたところ、参考人から、学校での費用徴収はなくすという方向でいいのではないかと、こういった意見がありました。教育に関する支援の強化が今こそ必要だと思います。
先日、子供の貧困対策に取り組む三つの団体が、経済困窮の深刻化を受けて、一人親世帯などに現金給付の上乗せを求めて会見を行いました。一歳のお子さんを持つシングルマザーの方が、働けずに自分は一日に一食と訴えるなど、実態は深刻で、更に切迫をしています。給付の上乗せはもちろん、仕事の確保や休業への十分な補償も重要です。
学生団体の調査で、保護者の収入の減少やアルバイト先の休業などによって学生の五人に一人が退学を考える事態が広がっているということが明らかになりました。学びの権利を守ろうということで、二百を超える大学の学生が学費の減免や支援を求めるインターネット署名を展開しています。この運動は大学の垣根を越えて学費の一律半額免除を求める署名へと発展をしています。困窮する学生への給付が閣議決定されましたが、アルバイトによる収入の減少や学費や奨学金への支援など、更なる拡充が必要だと考えます。
コロナの危機の下でとりわけ女性や子供に矛盾と困難が集中しているということから考えれば、コロナ対策にジェンダーの視点が必要だということも指摘をしておきたいと思います。
次に、外国人をめぐる諸問題の参考人質疑では、多文化共生社会について参考人から話をお聞きをして、人権の観点が重要だと感じました。
コロナ禍で外国人にも矛盾と困難が集中をしています。帰国をできずに、実習期間終了後も僅かな現金だけを頼りに帰国を待っている外国人技能実習生がいます。帰国できなかった外国人実習生にも特別給付金が支払われるということになりましたけれども、三か月を超える在留資格が必要となります。また、政府が決定した学生への給付対策について、外国人留学生については学業成績が優秀な者といった要件が設けられています。
コロナで受ける影響は同じです。人権の観点から考えても、日本に居住していればどんな外国人でも給付の対象とするなど対応が必要だと考えます。
参考人質疑ができなかったテーマも重要です。とりわけ、消費税率の引上げに伴う影響の上にコロナの影響が重なったということが、暮らしやなりわい、地域経済には深刻な打撃となっています。消費税率を引き下げるべきではないのかという声が党派を超えて上がっています。私は福島県に住んでいますけれども、県内の商工三団体からも消費税率の引下げを求める要望を受けております。消費税率の引下げについても今こそ検討をされるべきだと考えています。
不要不急の予算を徹底的に洗い直してコロナ対策に回すことが命と健康、暮らしとなりわいを守ることにつながります。誰もが安心できる社会の実現を目指して、二年目以降の議論も深めていければというふうに考えています。
以上です。