2022年5月11日(水) 参議院 経済産業委員会
「エネルギー束ね法案」参考人質疑
参院経済産業委員会は11日、エネルギー使用合理化法等改定案について参考人質疑を行いました。岩渕友議員は、エネルギー自給率が重要になる中、日本が進むべき道について質問しました。
NPO法人気候ネットワーク理事長の浅岡美恵弁護士は、「昨今の情勢のもと、どの国もエネルギーの自給率向上が必要であると認識した。自給の柱は再生可能エネルギーの拡充で、深く共有されている」と指摘。「エネルギー転換を遅らせることは、将来世代にとんでもない生活環境を残すことを、政治の世界で認識していただきたい」と述べました。
浅岡氏は、今年3月の東電管内などでの電力逼迫について、「地震と3月の寒波が重なり、対応策も遅れたことが原因だが、二つが重なることは極めてまれだ」「すでに夏場の電力不足は考えられず、冬の逼迫も(年間を通じ)わずか数日」「大口需要家などとの需給調整や送電網の連系線の増強で対応できる」と強調。「世界全体で化石燃料からの投資撤退が進むもとで、日本企業の取り組みが問われている」と述べました。
岩渕氏は、政府が検討する「日豪褐炭水素プロジェクト」ではコスト面などから化石資源由来燃料への依存が続く懸念があるのではと指摘。佐々木一成九州大副学長は「化石由来を続けるわけにはいかない」としました。
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2022年5月11日(水) 参議院 経済産業委員会
「エネルギー束ね法案」
九州大学副学長・水素エネルギー国際研究センター長 佐々木一成参考人 意見陳述
○参考人(佐々木一成君) 九州大学の佐々木です。
本日は貴重な機会いただきまして、委員長の石橋先生を始め委員の先生方に心より感謝申し上げます。
実は私、今から8年前の2014年の6月の23日でございますけれども、この参議院の経済産業委員会の先生方に脱炭素イノベーションハブである九州大学伊都キャンパスを御視察いただいて、対応させていただきました。誠にありがとうございました。
今回の法改正に関しては、私が30年以上専門分野としてきました水素などの脱炭素燃料に焦点を当てて御説明させていただきます。現在、総合資源エネルギー調査会の水素政策とアンモニア等脱炭素燃料政策の小委員会の委員長も務めております。
お手元の資料で御説明させていただきますけれども、2ページ目を御覧ください。配付資料の右上にページ番号を付けております。
エネルギーは国民の日々の暮らしに欠かせません。石炭の時代から石油の時代、そして現在は多くの天然ガスを輸入しております。近年、地球温暖化、気候危機を踏まえ、脱炭素社会、カーボンニュートラルの実現が世界的な課題になっております。
ただ、このようなエネルギー需給構造の転換には数10年単位の時間が掛かります。例えば、資料の下の方に書いておりますけれども、我々が家庭で日々使う都市ガスは天然ガス由来でございます。これは、液化天然ガス、LNGを日本が半世紀以上前の1969年に輸入し始めたことで実現したものですが、輸入したクリーンなメタンガスが各御家庭に供給されるまでには各地域で20年近く掛かっております。このように、エネルギーの需給構造の転換には長い年月が掛かりますし、官民の長期的な投資があって初めて実現するものでございます。
現在のウクライナ情勢を踏まえて液化天然ガスの輸入をドイツなども急遽始めますが、日本が半世紀以上前から長期契約で確保してきたことは、エネルギー価格の高騰の抑制にある程度貢献していると思います。
次の3ページ目を御覧ください。
今回の法律改正の中で、水素などの脱炭素燃料が非化石エネルギーに位置付けられることになっております。
2014年12月に水素自動車が発売された頃は、水素といえばFCVと呼ぶ水素自動車の燃料というイメージが強かったと思います。しかし、その後、欧州を中心に水素に対する考え方が変わってまいりました。つまり、再生可能エネルギーをより使いやすくし、社会全体を脱炭素化するためには炭素を含まない燃料が必要で、それが水素でしょうという認識が広まってきました。
大規模に再生可能エネルギーを使えるようにし、その図の②にありますように再エネ由来の水素を非電力部門でも使えるようにし、③と書いておりますけれども、再エネのバッファー機能も果たせるようになります。さらに、右側に書かれておりますように、運輸部門、産業用エネルギー、住宅用熱電供給の脱炭素化、さらに回収炭素を水素と合わせて工業原料化できるのが水素という認識が広まってまいりました。
つまり、社会全体を脱炭素化するためには、再エネの電気を増やすだけではなくて、電力と燃料と原料、これらを全て脱炭素化すると、それができるのが水素だということになります。
次の4ページ目を御覧ください。
このような認識は、我が国のエネルギー戦略にも反映されてきております。この図は、2020年1月に策定された革新的環境イノベーション戦略の概要をまとめたポンチ絵でございます。
左上にありますように、再生可能エネルギーを増やすということは国民全体の思いです。余剰の再エネを水素に変えると燃料や原料に使えるようになります。
二つ目ですけれども、ただ、地方圏と異なりまして、例えば大都市圏の東京のエネルギー需要を東京の再エネだけで賄うことは残念ながらできません。他方、海外では、再生可能エネルギーが大量に入手でき、化石資源と同じか安い地域が出てきました。海外からは日本まで再エネ電力を送電線で運んでくるわけにはいきませんが、図の右上にありますように、水素や水素キャリアを船で安く大量に運べるようになれば海外の再エネを日本でも使えるようになります。
さらに、図の右下にありますように、回収したCO2から合成燃料や工業原料となる炭化水素を作るには、CO2を出さずに作った水素が必要になります。
このように、脱炭素社会をつくるための炭素を含まない化学的なエネルギー媒体、これが脱炭素燃料の水素や水素キャリアになります。
次の5ページ目を御覧いただければと思います。
2050年のカーボンニュートラルに向けて世界は大きく動き出しております。我が国は2030年の高い目標も既に立てています。
電力につきましては、エネルギー基本計画では、2030年には1%、将来的には2050年に10%を水素や水素キャリアの燃料アンモニアで賄うことが考えられています。1%というのは少ないように見えますが、水素換算で年300万トンを発電用燃料などに使うことになります。いずれも流通量は現在はまだ限られておりますので、新たな供給網、つまりサプライチェーンを国内外につくっていく必要があります。また、非電力では、電化できないところで水素などの脱炭素燃料が必要になってきます。
このように、脱炭素燃料は、電力と非電力の両方でカーボンニュートラルの実現に重要になってまいります。
次のスライド、6ページ目を御覧ください。
この水素技術は、エネルギー資源に乏しい我が国が地道に技術開発を積み重ねてきた分野でございます。我が国は世界に先駆けて水素戦略を策定し、水素閣僚会議も日本が主導して開催されています。
ですが、この数年、その価値が世界的に認知され、追われる立場になってきました。このページにはドイツや米国、EU、フランス、中国の状況がまとめられていますが、各国とも国家戦略や普及目標を策定し、多額の資金を投入し、本格普及に注力しています。日本が世界をリードするとはとても言えない状況になってきて、まさに猛烈に追い上げられているというのが現状です。ですので、我々も更に数歩先を行く必要があります。
最後の7ページ目を御覧ください。
代表的な脱炭素燃料である水素は、ここに書いておりますような価値や課題があると言えると思います。このリストは本委員会の先生方が九州大学にお越しいただいた頃に作ったものでございますけれども、今でもこれらの価値や課題は変わっていないと言えます。
特に、国の存立にも関わるエネルギーを特定の資源や資源国に依存することの危険性、これは今日のウクライナ危機から我々がまさに学んだことでございます。ガソリンは中東からの原油価格に連動しますが、水素ならば国内外の安い多様な資源から作ることができます。さらに、日本が輸入する鉱物性燃料は、貿易統計では毎年10兆円を大きく超えております。時間が掛かるとは思いますけれども、国産の水素を将来増やすことで、エネルギーの輸入代金の一部でも国内に還流させて福祉や教育などに使えるようにしたいところであります。
我が国には、北海道や東北、四国、九州など、再生可能エネルギーが豊富な地域があります。地方圏がエネルギーで自立することは地方創生にもつながります。
ただ、このような未来社会を実現するためには多くの課題があるのも事実です。これらの脱炭素燃料は、化石燃料よりもまだまだ高いのが実情です。既存の化石燃料の場合はインフラが既にありますが、新たな脱炭素燃料のインフラや供給網の整備はこれからです。インフラを造りながら、化石資源由来のいわゆるグレー水素から、CO2を回収したブルー水素、そして再エネ由来のグリーン水素に着実に換えていくことで水素の製造時のCO2排出も減らせます。これはアンモニアなどでも同じです。
また、輸入水素から国産水素に少しずつ換えていくことで、脱炭素燃料の国産化率、つまりエネルギー自給率を上げていくことが可能です。
また、国民に水素を安心して使っていただけるように、国民の皆様方に御理解をいただく不断の努力が欠かせません。
最後になりますけれども、グリーン分野は、2050年に向けて成長が期待され、世界各国で官民の投資競争が加速しています。今回の法律改正で水素、アンモニアなどの脱炭素燃料が非化石エネルギーとして位置付けられることは、エネルギー需給構造の高度化に向けてその価値が明確になります。脱炭素社会に向けた投資も拡大し、グリーン成長の加速につながり、エネルギーの安定供給にも寄与します。本法律案は、カーボンニュートラルに向けて社会全体が動き出す大きな一歩になると考えます。
私の説明は以上です。
2022年5月11日(水) 参議院 経済産業委員会
「エネルギー束ね法案」
早稲田大学商学学術院経営管理研究科教授 平野正雄参考人 意見陳述
○参考人(平野正雄君) 早稲田大学の平野正雄でございます。
本日は、このような機会をいただき、ありがとうございます。
私の専門は経営戦略でありまして、必ずしもエネルギーの専門家ということではございませんが、しかしながら、現在、資源エネルギー調査会のメンバー、その下の石油・天然ガス小委員会の委員長、その他、グリーンイノベーション・ワーキンググループの座長等々、資源エネルギー庁のエネルギー政策の立案に関わってきております。
今日は、私の方から、新たなエネルギー危機とその戦略的対応についてということで、簡単に意見を述べさせていただきます。この資料の中で下線部が引いてあるところが本法案にも関係があるところということですので、御参照いただければと思います。
私は、現在、新たなエネルギー危機に我が国は瀕しているという、こういう認識でおります。それは大きく分けると三つあるというふうに考えており、一番目が国内電力の安定供給の確保、二番目が、これが非常に今ハイライトされているエネルギー安全保障の確立、それから三番目、これは、やっぱりカーボンニュートラルの達成というのは、ただいま佐々木先生の御説明にもありましたけど、非常に超長期のトランジションであり、様々なやはりリスクを含包しているものという意味においてはこれもリスクファクターとして考えていく要素も必要だろうということで、この三つが我々が直面している大きなエネルギー上の課題。今日は、この一番目と二番目を中心に意見を述べさせていただきたいと思います。
一番目の国内電力の安定供給ということに関しましては、御承知のように、電力自由化により、安定供給責任というのがかつての旧一電と言われるほぼ独占的な電力会社からシステム全体で担うようになったということがございます。
しかしながら、これは当初の狙いでもあるわけですけれども、多様なプレーヤーが参入した結果、旧一電と呼ばれるような電力会社の経営体力というのは徐々に低下をしていくという中において、現在彼らは経営の合理化という視点において不採算発電所の破棄等が行われています。
結果として見ると、我が国の電力の供給の余力というものが徐々に失われてきて、昨今でもこの3月に停電の危機がこの東電管内、関東一円で叫ばれるようなことにもなったわけですが、そういう意味におきましては、一定の目的を持って進めている電力の自由化ですけれども、電力供給の余力という意味においては、それが弱体化し、システム全体が脆弱化しているという点は指摘をしておくべきだろうというふうに思います。
その大きな方針としては、やはり電力というものが、これは電力として消費する形においては極めてクリーンなエネルギーでありますので、今後も主力のエネルギー源であることは変わりないわけですが、その元となる電力の生成の形態として見ると、やはり複数のもの、一つのものに依存するのではなく、それぞれ役割が違う複数のものに分散してやっていくことが重要だろうと思います。
今後の中心というのは間違いなく再エネということで、日本の国情を考えると、元からの水力と太陽光、それからここに徐々に風力ということになっていきますけれども、これはそのエネルギーの地産地消を進めるという安全保障上も望ましいという観点がございます。そういう意味におきましては、再エネの主力電源化の推進というのは、これは着々と進めていくべきものだという認識をしています。
一方、御案内のように、再エネの電源というのは極めて不安定な電源でもあります。そういう意味におきましては、安定的な電力供給を果たしていくある種のバッファー役、調整役、それから、先ほど申し上げました超長期のカーボンニュートラルを実現していく、そのトランジションを支えていくための熱源として、やはり化石燃料、具体的には火力発電、特にその中においてもCO2の発生力が低い天然ガスというものの重要性、戦略的重要性というのは一層増しているという認識であります。
なおかつ、天然ガスも炭素を含みますからCO2を発生いたしますけれども、そこに脱炭素化の技術、CCS等を加えることによってクリーンな形で天然ガスを使い続けるという道、この一定量をやはり電源として、あるいは熱源として天然ガスを残していくという意味においては、柔軟性の観点、戦略性の観点でも大事だろうと思います。
また、原発活用に関しては様々な意見があろうとは思いますけれども、しかし諸外国を見ていますと、今回のウクライナ危機でも欧州なんかは非常に、もう1回原発の強化ということで、英国、フランス等は新設等も考えているということであります。この位置付け、我が国は非常に固有の難しい課題があることは認識していますけれども、政治の皆様方にはしっかりとこの原発利用に関する道筋を開いていただければというふうに思います。
政策という意味におきましては、このシステム安定化という観点におきましては、現在既に、例えば容量市場、先物市場を立ち上げる。それから、本法案にも入っておりますデマンドレスポンス、需要シフトですね。すなわち、今実際に、太陽光の割合が増えてくると、日中に非常に電力が発生してそれが余剰になる、逆に夕方、夜、要するに日が陰って夜になってくると電力が不足するということで、かつては夜電力を使えということでしたけど、それが逆転したと。それに合わせて当然需要サイドの方もシフトをしていただきたいということでデマンドレスポンスという概念が出ていますけれども、こういう需要シフトというものも重要ですし、PPAというのは、直接的に需要家と、それから主に再エネですけれども供給者が契約するということで、システムから切り出すことによって安定した電源を各社が獲得していく、こういう制度ももう既に整備をされています。
それから、先ほど申し上げましたように、火力の一定量維持ということに関しましては複合的な支援が必要だろうと思います。
そういう中においては、例えば石炭を利用していくという意味にも、ベースロードという意味でも石炭は一定の役割はあるかと思いますけど、これはアンモニア混焼、やがてアンモニア専焼することによって、実は石炭火力というものがクリーンなアンモニア火力に転換していくという技術的な道筋はあります。同様に、天然ガスに水素を混ぜていく、あるいは出てきたCO2をCCSということで回収していく、こういうことをする。
それから、この後も申し上げますけれども、一方で天然ガスというのは、非常に今競争が激しくなり価格も高騰しています。こういう中で、安定的に天然ガスあるいは化石資源というものを引き続き日本は確保していくという努力もすべきだろうということを申し上げておきたいと思います。
二番目、エネルギー安全保障の確立ということでは、先ほどの再生可能エネルギーの推進というのはもちろん大きな貢献をするわけですけれども、同時に、安定的に海外資源調達、特にLNGを中心に実現していくことは重要だろうと思います。
御案内のように、昨今のこのロシアのウクライナ侵攻に伴い、そしてEUが一気に今資源の脱ロシア化が進行しているということは、ほかのところに今燃料源を求めてきているということで、とりわけLNGの需給が逼迫しています。石油と違いまして、LNGというのは、供給の余力がなく、なおかつ備蓄がコストが掛かり難しいということがありますので、非常にタイトでボラティリティーが大きいマーケットになっております。こういう中において、今後もLNGというのは非常に価格が高止まりしていく、あるいは玉不足ということが懸念されます。
また、サハリン1、2は今もうまさに焦眉の課題でありますけれども、これは今は権益を維持するという方針だと思いますけど、途絶リスクというのも10分に想定して我が国は対応を短期的には考えていくべきだろうと思います。
課題ということでは、長期の、特にLNGの安定確保という意味においては二つの構造的な課題があるというふうに私は認識しております。
一個は、これまで、先ほど佐々木先生もおっしゃいましたけど、日本はLNGを比較的安価に、安定的に調達できていたのは長期契約なんです。ところが、この長期契約の更新というのがほとんど起きていません。なぜかといえば、電力各社にとってみると、LNGを長期的に使い続けるという道筋が見えない。すなわち、再生可能エネルギーに転換していくとすると、これも不採算資産になってしまうという経営上のリスクがあるわけです。ですから、そこの部分に関しましては、例えば、買い込んだ長期の契約というものが、将来もし余剰になったらそれが転売できるような市場を整備する、その他の手当てが必要だということです。
もう一個は、日本はかつては世界で最大のLNGのバイヤーでした。これが、もう御案内のように、今、中国に昨年抜かれたと思いますけど、バイイングパワーというのが喪失しています。日本は、経済の発展のペース等も含めて、それから省エネ化の推進も含めて、実は燃料あるいはエネルギーに対する需要というのは徐々に徐々に漸減していっていますけれども、それにつけても、中国や欧州に対してバイイングパワーを喪失してきているということは構造問題だというふうに認識すべきだというふうに思います。
したがって、政策としましては、今回の法案にも入っておりますけれども、やはり資源の上流開発というのは、座礁資産化を恐れる企業単体に行っていくということは、特に30年とか50年というような長期の開発ということに関しましては、やはり公的金融の拡充というのは必要だろうと思います。
それから、余剰ガスの転売、一部価格補填などは、仕向地条項の緩和、それからトレーディング事業に向けてのやはり制度整備、こうしたLNGの流通市場の形成ということをやることによって、実は我が国にとってみるとLNGの入手可能性、安定性というのを高めていくと。その上で鍵になるのはアジアだと思います。
アジア連携でLNG流通市場形成、流動性確保と書きましたけれども、アジアは、御承知のように、カーボンニュートラルはもちろん取り組んでいくわけですけれども、彼らはまさに今経済発展のたけなわ期にあります。そういう中におきましては、化石燃料を安価に使い続けたいという意欲が実は欧米あるいは先進国とは違います。そういうところに対して、我が国が、まずは天然ガスを使い続けるための輸送、備蓄などの技術、それから、実は、天然ガスであっても、あるいはほかの化石燃料であっても、こうした脱炭素の技術を我が国が提供することによって、彼らの、言ってみれば安定的な、しかもクリーンな発展を支えていくという、こういう役割を日本は果たせるはずです。
結果として見ると、アジアとの連携ができ、そこでLNGの流通市場が形成されますと、これは一定以上安定した供給というもの、あるいは安定した調達につながるということですので、これは資源外交も含めて極めて戦略的な政治の命題だというふうに思います。
最後に、その他ということで掲げました自国の資源開発という意味においては、これはまた超長期になりますけれども、これこそリスクが大きい部分ですので、公的な資金投入をしながらメタンハイドレート等の開発、それからイノベーションの促進、そして、これも法案にいろいろとちりばめられていますけど、一段の省エネ推進というものを確実に進めていくということで、需給両面でエネルギーの構造転換を果たしていくということが安定的な我が国のエネルギーの環境を整える道だというふうに思っております。
私からは以上でございます。
2022年5月11日(水) 参議院 経済産業委員会
「エネルギー束ね法案」
NPO法人気候ネットワーク理事長・弁護士 浅岡美恵参考人 意見陳述
○参考人(浅岡美恵君) 浅岡でございます。
本日は貴重な機会をありがとうございます。
時間が限られますので、私は、本日は、化石燃料由来の水素、アンモニアを特に石炭火力で非化石エネルギーと位置付けて推進する、また、エネルギー源の環境適合利用という形で法律の改正を、これらの利用を進めていくということにつきまして大変問題があると思いますので、その点に焦点絞ってお話し申し上げます。
次をおめくりくださいませ。
その前提といたしまして、気候危機に対する対応は全く喫緊の課題でございますが、特に、昨年11月、グラスゴーで開かれました会議でグラスゴー気候合意が採択されました。これは1.5度の気温上昇にとどめるということを国際社会が決意を示したものでありまして、日本も参加しております。1.5度にとどめるということは、これ、そのために排出できるCO2の量は4000億トンとIPCCからは出されております。ということから、2050年にカーボンニュートラルとすることでは問題は解決いたしませんで、2030年に世界で半減程度する、これがあって初めてできるものであります。これを、残余のカーボンバジェットと言われているものであります。
次をおめくりくださいませ。
こうした考え方は、既にヨーロッパにおきましては裁判所でも取られているものでございます。
昨年3月にドイツの憲法裁判所は、ドイツの気候保護法の2030年に90年比55%削減という日本より高い目標ですが、これでも駄目だという決定をいたしました。それは、ドイツの残余のカーボンバジェットを基に計算する、これは人口比でたかだかそうだという計算の下でいたしますと、2030年までにドイツの残余のカーボンバジェットのほとんどが尽くされてしまって、残り10億トンぐらいしか残らないと。これでは原告らの若い世代の将来の自由が制限されると、こういうことであります。
これを日本に置き換えますと、1.5度を目指すというときは、日本の残余のカーボンバジェットCO2は65億トン程度、年間10億トンも出しているわけでありますから、もう6年ぐらいしかないと。ということで、気候危機に対応するという国際的な社会の取組は、いかにしてCO2の排出削減、温室効果ガスの排出削減を行うか、総量を削減するかという課題でございます。
次をおめくりください。
ここの上の表は、トランジション・ゼロというイギリスの研究団体が作りました今年2月の報告の一部でございますが、グレーのアンモニアでありましても、ライフサイクル全体で考えますと、これを火力で燃やすと、燃料とするといたしますと1153グラム・パー・キロワット・アワーのCO2を排出します。石炭が1260グラムですから、ほぼ変わりません。この数字自身はIEAの数字によっております。すなわち、アンモニアを混焼する、専焼するといいましても、排出削減にはならないというのが国際的な評価でございます。
次をおめくりください。
次は昨年10月のIEAのレポートでありますが、そこでもほぼ同じこうした表が提出されております。ガスから、あるいは石炭から作製されるアンモニアについては95%回収ができるCCS付きというのが前提になっていると、こういうものであります。どこかで削減してくれればいいわということではなく、これらを併せて考えなければならないところに今はあるわけでございます。
次をおめくりくださいませ。
アンモニアのコストが高いことは争いはございませんし、グリーンアンモニアはとりわけ高いわけですが、この問題は、これはトランジション・ゼロのコストの将来予測でありますけれども、2030年になりましても、このコスト差は縮まるどころか開くと、再生可能エネルギーのコスト低減に対して競争力がないというものであります。IEAの昨年10月の報告でもほぼ同じことがありまして、途上国におきましてもとてもコスト対応力がない、せいぜいピーク需要のときの対応に考えられるぐらいだという報告でございました。
また、CCSにつきましても大変課題がございます。世界で火力発電所に設置されているCCSはただ一基しかございません。それは大変コストが高いからであります。日本で陸地に適地がなく、海域でこれを探索すると更に高コストになりますし、そもそも回収は不完全であります。長期の貯留も大変課題を有している、その他もろもろ問題が指摘されております。
次、お願いいたします。
こうしたアンモニア混焼とかCCSの問題につきまして、世界ではよく知られていることでありますし、さらにアンモニア混焼は、NOxとかPM2.5の大気汚染物質が生成されたり一酸化二窒素の温室効果ガスが生成される。様々な、上流、下流でのこれは海外に依存するということは、安定供給にも、エネルギーの安全保障にも差し支えるということになります。
次、お願いいたします。
これらのことを踏まえまして、IEAでは、まず1番排出量の多い発電部門につきましてCO2の削減を行っていく、これは1.5度を目指すというときのロードマップでございます。
次、お願いいたします。
じゃ、それを電力部門でどうして行うのかと。この昨年のIEAのロードマップにおきましては、これから石炭火力を造らないというのは当たり前でありますけれども、2030年までには先進国はCCUSを備えないものは段階的に廃止する、そうでなければとても1.5度に向かうということにはならない、これはIEAが言っていることであります。
では、どうするのかと。次、おめくりくださいますと、再生可能エネルギーは発電部門で例えば上の欄のように拡大していくということであります。2040年には84%、2050年には88%、これは世界全体でこういう流れにあると、これを御覧いただく必要があります。
次、お願いいたします。
その安定供給、電力の安定供給が重要であると、それはそのとおりでございますが、それにどのように対応するのかというのは、現時点では対応をもう変えていかなければなりません。ピーク時対応というのはごくごく僅かな時期であります。最も需要の多い時期の1000万キロワットにつきましても、それが使っておるのは40日であります、それも真夏のときだけであります。これを1500万キロワットにいたしましても70日ほど、それもほとんどが夏であります。若干、冬の厳寒のときに今回の需要が地震と重なって起こりましたということですが、極めてまれなる事象でありまして、それに対しては、火力を用意するということではなくて需要側の調整を行う、エリア間の連系線を強化する、本来のことをやっていくということであります。
時間限られますので、大変早口になって恐縮ですが、次を御覧ください。
日本でなぜこのような石炭火力にアンモニア混焼が行われているのかといいますのは、右の方にあります表は、パリ協定が発効いたしましてから造られました石炭火力発電所、また今まだ建設しているというようなもので1000万キロワットもございます。
次、お願いします。
IEAの昨年の資料におきましても、2020年以降石炭火力を増やしてきたという国は、途上国含めてもう本当に日本ぐらいだという状況にあります。
次、お願いいたします。
この状況が日本の特殊な状況でありまして、ある意味で政策判断を間違えたと私は思いますけれども、2020年10月に菅前首相が2050年カーボンニュートラルというのを宣言いたしました。そのときに前後いたしまして、突如、アンモニア混焼、石炭でのアンモニア混焼ということで官民協議会なども生まれてきたということでありまして、本当に、造ってしまった石炭火力を使いたいということに尽きるわけでありますが、世界の潮流には合わないものであります。
次、お願いいたします。
今経産省の方で示されているこれらの石炭火力が将来どうなるのかということは、この程度しか示されておりません。フェードアウトもしっかりいたしませんが、アンモニアなどの導入の計画というのも、せいぜいこのCというところであろうかと思いますが、本当に数基あるかというぐらいのものでありますが、それでも世界のアンモニア需要量を、現在の需要量を更に上回るような量を予定していると。大変間尺に合わない話であります。
こうした日本の政策は、次にありますように、世界的に大変厳しい評価を受けておりますし、次、13ページ御覧いただきます、あっ、19ページ、ちょっとページがおかしいですが、御覧いただきますと、世界の各国のアンモニアに対する、そのどこでどう使うのかという政策の見通しを示しておりますトランジション・ゼロの資料ですけれども、火力発電に使うというようなことに非常に重きを置いているのは日本ぐらいで、まあ韓国が最近追随というのがあるようでありますが、やはりこれは大きな政策判断の問題を提起していると思います。
次はIPCCの第6次評価報告書第3作業部会の新しい報告でありますが、どんな対策があるのか。先生方もおっしゃられましたように、再生可能エネルギー、風力、太陽光等は大変安くてポテンシャルが大きい、CCSは高くてポテンシャルも小さいと。
次は省エネですから飛ばしますが、その次、最後から二番目、22ページ御覧いただきたいと思いますが、こうしたIPCCで示されましたような動きは決して最近出てきたことではなく、世界の主要なビジネスの中ではもう既に進んでおります。再生可能エネルギーを主導されているビジネスの中で、RE100を宣言している企業の44%が既にサプライチェーン全体での再エネを要求しております。日本にも同じことが求められているわけでありまして、日本のビジネスの参入チャンスを失うことになりかねない。
最後のページは、どうしてこうなるのかという点では、2050年、なお再生可能エネルギーは半分程度で、残りは火力、原子力がベースだという考え方を踏襲されていることが一番大きい要因だと思います。ここで世界の潮流に対応いたしていきますためにも、再生可能エネルギーを本当に主力にする、そのための政策措置をより、これよりも急いでやっていただきたいというのが私たちの、私の意見でございます。
以上でございます。
2022年5月11日(水) 参議院 経済産業委員会
「エネルギー束ね法案」参考人質疑
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
3人の参考人の皆さん、今日は貴重な御意見をいただき、ありがとうございます。
まず初めに、佐々木参考人にお伺いをいたします。
今日、参考人も少し述べていらっしゃったんですけれども、参考人が日経新聞の中で、水素であればいいわけではないと、グレー水素を使う場合は化石燃料が水素に替わっただけ、こういう批判は避けられないというふうに述べておられました。
政府が検討をする日豪褐炭水素プロジェクトなんかは30年ということで、コストの面から考えても、この褐炭を使って化石燃料由来への依存が続くのではないかというような懸念があるんですけれども、参考人はどのようにお考えでしょうか。
○参考人(佐々木一成君) 先ほど申し上げましたように、ちょうどこれは水素自動車が出たときに、これ究極のエコカーだといったときに、いや、ガソリン、化石資源が形だけ変わって、そのいいとこ取りだけしたんじゃないですかという御批判をいただきましたし、それはもうそのときからこれはやっぱりこのまま続けるわけにいかないということで、やっぱりグリーンの方にシフトするというのが私も含めた皆さんの同じ思いだと思います。
その観点でいきますと、グレーは今でも残っておりますけれども、やはり今、技術開発とかサプライチェーンをつくるのは基本的にブルーか若しくはグリーンという方向が、これは日本だけじゃなくて世界的な動きであります。
その中で、確かに褐炭から水素を作るという話も、何か石炭系かという御批判もあると思いますけれども、私が知っている範囲では、その褐炭から出てくるCO2はきっちり安定な地層に埋めて、いわゆるブルー水素として持ってくるという理解をしているんであります。
あと、いわゆるあの技術開発というのは、褐炭のための技術開発ではなくて、むしろ海外から水素を液化して持ってくるというのが一番の技術開発なんですね。ですから、もちろん世の中は今どんどん変わっていまして、むしろ再エネをあの技術を使って持ってくる、液化して持ってくるという方向ももちろん企業さんは当然視野に入れてやっておりますので、褐炭ありきの技術開発ではないということは申し上げておきたいと思います。
○岩渕友君 ありがとうございます。
次に、平野参考人にお伺いするんですけれども、気候危機が非常に深刻になっていて、世界で炭素への投資からの引揚げが進んで、脱炭素の流れはこれからも一層加速する見通しだと思います。
一方で、世界では再エネとか省エネへの投資が大きく動いている下で、日本では石炭火力を使い続けるという政策が示されています。化石燃料への投資よりも再エネとか省エネへの投資の方が効果が大きいですし、雇用や地域経済への波及効果も大きいと思うんですけれども、参考人はどのようにお考えでしょうか。
○参考人(平野正雄君) おっしゃるとおり、今、実は産業界に脱炭素の圧力を一番掛けているのは資本市場なんですね、ダイベストメントということなんです。
結果、さっき申し上げましたように、炭素系の例えば電力あるいは炭素系の資源の開発をしていくということに関してはむしろ資金が付かないということで、もう実質的にはストップが掛かっていたというのが実はこのウクライナの前まではその流れでした。
したがって、世界中の大手のエネルギー企業も急速にもう上流投資というものを回避する、あるいは石炭の開発もストップするという動きがあったことは確かです。これも先ほど来申し上げているように、実はこのウクライナ危機で状況は、これは短期的かもしれませんけれども、大きく変わりまして、世界の投資家の人たちも、もう少しバランスを持ったトランジションを考えていかなければいけないという、こういう発想になっているというふうに私は認識をしております。
そういう過程の中において、石炭から出てくるCO2というのをどういう形で処理するのかと、その効果についてはいろいろ議論はあるかもしれませんけれども、アンモニアの混焼もあれば、CCSという技術開発も進んでおります。そうしたことの組合せの中において、やはり多様なエネルギー源というのを我が国の場合というのはうまく使い続けることによって全体として安定化を図っていくということが必要だと思っています。
地産地消を進めていくということ、それがエネルギー安全保障上も重要だということは、私も先ほどから申し上げているとおり、そのとおりだと思いますし、地域経済にもそこはプラスの部分があるというふうに思っていますので、その流れは当然ですけれども加速をしていくということなんですけど、いかにこの50年のトランジションをマネージするかという観点の中においては、かなり柔軟な発想というのも必要じゃないかというふうに個人的には考えます。
以上です。
○岩渕友君 ありがとうございます。
次に、浅岡参考人にお伺いするんですけれども、先ほども少し話題になっていたんですが、今、その電力需給の逼迫が問題になっていると、これをどのように見ていらっしゃるのかということと、エネルギー安全保障、非常に重要になっているわけですけど、そのために日本がやるべきことについてどのようにお考えかというのを改めてお聞かせください。
○参考人(浅岡美恵君) 電力需給の逼迫につきまして、私たちの市民生活上の記憶もあるわけですが、特に今年につきましては、震災、地震と、それから3月というもう既に暖かくなっていて定期点検入れてもいいかと思うようなときに寒波が襲ってきたと。こうした希有なることが二つ重なったということの中で、また対応策もちょっと遅れたというようなことが非常に慌ただしいことになったわけでありますが、この二つが重なる可能性というのは極めてまれだということが一つ指摘されておりますし、元々ちゃんとデマンドレスポンスを対応するというような、大口の需要家のところでは逼迫のときにはこうしてくださいねという約束がちゃんとなされていて、それには、ただ削減すること、電力を減らすことによってメリットをちゃんと与えるというような仕組みがあれば非常にスムーズに進むことになります。
やっぱりここは、需給調整をしていくことでありますとか、他の送電網との連系線を本質的にもっとちゃんと増強していく、これをもっと加速させるというようなことを考えることによって対応できるものであります。少なくとも夏場はそうしたピーク需要の需給逼迫はもう本当に考えられなくなってきているわけでありますので、あとは冬場、定期点検の時期を考えながらやる。今までやっているんですけど、そうした気候の変動を含めて対応していくというふうなことが本当に大事でありまして、僅か本当に数日のことなんだということがもっともっと皆様に知られることが必要であろうというふうに思います。
それから次に、二つ目の問題として、エネルギーの安全保障という観点でありますけれども、何度も申し上げますが、本当にどの国も今非常にいたく認識したのは、エネルギーの自給というものが非常に重要である、これはエネルギーだけではなくて食料も含めて自給をしっかり高めていくということの重要性であります。そこの自給の柱になるのは再生可能エネルギーの拡大、拡充であると、このことも非常に深く共有されていっています。
トランジション、エネルギーの転換には何十年も掛かる。ところが、今、気候変動への対応は、その余裕の時間がもうないのです。あと10年でどれだけ減らすか、あと2050年まで本当に一世代の間に大転換をしていくか、この短い、もう本当に差し迫った、これは今までちゃんとやってこなかったことが大きな要因でありますが、これからそれを遅らせるような話は本当に将来世代に対してとんでもない地球を残す、生活環境を残すということが、多くのこの政治の世界の中で認識していただきたいと。
欧州の裁判所で日本で言えばびっくりするような判決が出されているというのは裁判官自身がそう考えているからでありますので、やっぱりそのタイム、時間感覚、非常に切迫しているんだと、グラスゴー気候合意の中にありますように残された時間は少ないんだと、これを、日本のエネルギー政策の中でも優先順位を付けていく、あるいは投資の優先順位を付けていくという中でも反映させていただきたいと願うところでございます。
○岩渕友君 続けて浅岡参考人に伺うんですが、補足資料の中にオランダ・ハーグ地裁でのシェル・グループの判決のことについて紹介されているんですが、気候危機対策に取り組むことが企業に求められていると思うんですが、取り組まない企業がどうなっていくのか、こうした点で日本の企業の取組、どのように見ていらっしゃるでしょうか。
○参考人(浅岡美恵君) オランダでは2019年の12月に、オランダの国としての削減目標を、2020年20%は少な過ぎる、25%に引き上げろという最高裁の判決がございました。そこでの基本的な考え方をベースにいたしまして、昨年6月に、企業も同じように、世界のコンセンサスとなっている、科学が求め、そして世界のこうした国際交渉や国際合意の中でコンセンサスになっている削減目標の最低のところは、大排出をするようなシェルのような企業は守ること、それを、削減を実行することがデューティー・スタンダード、そういう義務である、それは法律上、法的な義務であると。
こういうふうに、デューティー・スタンダード・オブ・ケアと、こういう言葉で、オランダの法律の中もあります。この考え方は、企業が当然遵守すべき注意義務があるんだと、これは日本の裁判所でも当然考えることでありまして、その基準が、温室効果ガス、二酸化炭素の排出削減という点では一定のタイムスパンで2030年45%削減、これは国際合意であると、この企業が行わなければならないと。
さらに、この判決の重要な点は、スコープ3という、上流の、関わっている上流企業の方での削減、そして下流の消費者の方まで含めて、そこで排出されるものも含めてこのような目標を守ることが義務だというふうになってきています。
これは、あわせて、先ほど世界全体がRE100に移行していくということと裏合わせになっているわけでありまして、こういうものに沿っていく流れでなければ、投資はもちろん融資も付きません、ダイベストも進むでしょう、それだけではなくてサプライチェーンの中から外れていくと、こういう時代がもうそこに来ているということを示していると思います。
日本も、日本の企業もこうしたものから離れた存在ではやっていけない、これからはやっていけないと。それがカーボンニュートラルというか、2030年半減させ、2050年にはカーボンニュートラルにしていかなければならない、これは気候危機を回避していくための本当に必要な措置だと、そういうことが反映されているものだと御理解いただきたいと存じます。
○岩渕友君 以上で終わります。ありがとうございました。