日本共産党の岩渕友議員は14日の参院農林水産委員会で、家畜のエサとなる飼料用米が不足している問題を取り上げ、輸入に頼る飼料を積極的に国産に切り替えるため、生産を支援するよう求めました。
主食用の米の高騰を受け、多くの米農家が、畜産で利用される飼料用米から主食用米に作付けを転換。その結果、需要量の4割も飼料用米が不足する見通しが示されています。
岩渕氏は、鈴木憲和農相が4月28日の閣議後会見で飼料用米の増産を呼び掛けたことについて、「既に田植えは終わっている」「いまさらそんなことを言って農家を振り回すのか」などの声が上がっていると紹介。ここ数年にわたって飼料用米の補助金がカットされていることを指摘し、「作付け転換を要求する以上、何らかの手当てをする必要がある」と求めました。
岩渕氏は、現在政府内で検討されている米農家への新しい支援制度が「収量に応じた面積払い」となっていることについて、「大規模に生産している農家に手厚い支援になっている」と指摘。1枚の田んぼの面積が小さい中山間地での米作りでは不利だとし、中山間地支援こそ水田政策の基礎に位置付けよと強調しました。
岩渕氏は「需給状況次第で増えたり減ったりする制度ではなく、政府が積極的に国産飼料への切り替えを促し、生産を支援する仕組みに再構築するべきだ」と主張しました。
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221-参-農林水産委員会-009号 2026年05月14日(未定稿)
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
初めに、法案について質問をします。
本法案で、子豚や症状があり検査陽性となった豚だけを殺処分とする方法に変更をされますけれども、全頭殺処分になる場合があるとすれば、それはどんな場合でしょうか。
○政府参考人(坂勝浩君) お答え申し上げます。
今回の改正におきまして導入を予定しております選択的殺処分は、過去の発生事例から集積した科学的知見を基にいたしまして、飼養豚に適切なワクチン接種がなされていることで免疫が獲得できており、かつ移動制限などのリスク管理措置が講じられている場合には、必ずしも全頭殺処分を行わずとも蔓延防止は可能という専門家からの評価をいただいたことを基にしております。
このため、発生農場におきまして、例えばワクチンの接種が適切に行われておらず、その飼養豚の中で免疫が十分に獲得できていない場合、このような場合は選択的殺処分の前提条件が成立いたしませんので、全頭を引き続き殺処分するということもあり得ると考えております。
このようなことにならないよう、農林水産省といたしましては、各農場におきまして適切なワクチン接種が確実に実施されるよう、都道府県とよく連携しながらその趣旨について周知徹底してまいりたいと考えております。
○岩渕友君 今答弁にもあったんですけれども、適切にワクチンが接種されるように是非サポートをお願いしたいというふうに思っています。
それで、ここからは飼料用米について質問をしていきたいというふうに思います。
二〇二六年度の飼料用米の需要量が約三十万トンから四十万トンであるのに対して、作付け意向が二十四万トン程度ということで、農水省が生産量が六万トンから十六万トン不足をするという見通しを示しました。それで、大臣も四月二十八日の会見の中でこのことに触れられています。
昨年、主食用米の価格が上昇をして、飼料用米から主食用米へと切替えが進む下で、飼料用米が不足するということは去年から分かっていたことではないんでしょうか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 去年は、まず、価格がというのもありますけど、元々主食用のお米が足りないのではないかということで皆さん主食用のお米の生産を増やしたというふうに私としては理解をしておりますが、今般の飼料用米も含めて多様な米の需要に応じた生産についての呼びかけについては、まず、令和八年産の生産者の作付け意向にこれ基づくものであります。この作付け意向、令和八年産の作付け意向が一番初めにこれ取りまとめができましたのが本年一月末時点の作付け意向になっておりまして、それを三月十一日に公表させていただきました。
その後、更に精査を行いまして、要するに、どのぐらい足りないのかということについては、飼料用米、今までそういう出し方をしたことがないものですからあれなんですけれども、四月二十八日の大臣会見におきまして、要するに国産の米を利用して畜産物の差別化を図っている畜産農家の需要見込み、これが大体、精査をしたところ、三十から四十万トンということで推計ができましたので、そことの要するにギャップということでお話をさせていただきまして、なので、昨年の段階からこれ判明できていたというわけでは決してありません。
○岩渕友君 飼料用米の生産が呼びかけられたということに対して、既に田植終わってしまっているじゃないかとか、今更そんなこと言われても苗もないし土地もない、また農家振り回すのかというような怒りの声も上がっているんですよね。
こうした事態に今からどう対応しようというふうに考えているのか、大臣、教えてください。
○国務大臣(鈴木憲和君) 我々としては、まず飼料用米について、需要量に対して増産が可能であるということを、きめ細かに今の需給の状況そして需要の見通しとかも含めてコミュニケーションをしていくということが大事かと思いますので、これ、飼料用米に限らず、加工用米も、要は加工用米の関係者の皆さんから聞くところによると、需要に対して作付け意向ではちょっと正直足りないとか、米粉用もそうですし、輸出用もそういうお話になっております。
ですので、それが分かりましたので、五月八日に農業法人協会そして全国稲作経営者会議の皆さんに農林水産省にお越しをいただいて、飼料用米を含む多様な米についてかなり強いニーズがあるということをお伝えするとともに、本年産の作付けなどについて意見交換を行わさせていただきました。そして、現在も四月末時点の作付け意向調査の集計作業を鋭意行っているところでありまして、需要に応じた生産が可能となるよう、引き続き、作付け意向を含めきめ細かな需給情報の提供を行ってまいります。
また、昨年産からなんですけれども、飼料用米などの取組につきましては、需給動向の変化にも柔軟に対応できるように、今、水田活用の交付金の申請に必要な取組計画の確定日、これを、従来は六月三十日でありましたけれども、八月二十日に大幅に延長してきているところでありまして、このことも併せて今後情報発信を行ってまいりたいと思います。
○岩渕友君 今答弁にもあったんですけど、生産者団体の皆さんや大規模生産者の皆さんとの意見交換を行われたということなんですけど、そこの中でどんな話合いが行われたのか、もうちょっと詳しく教えていただきたいということと、不足分が埋まる見通しというのが立ったのかということを教えてください。
○国務大臣(鈴木憲和君) まず、どんな話が行われたかということですけど、私からは、まず、飼料用米も含めた多様な米について、実需者の皆さんからかなり強いニーズがあるということ、具体的にはどの米が幾らぐらいまだ、要は、何というか、需要がありますよというお話はさせていただきました。そして同時に、この基本計画に掲げる二〇三〇年の八百十八万トンという増産目標に向けて、やはりその需要を満たしていくことが重要であるということですね。
さらに、来ていただいた方は、要するに一部の、何というか、法人協会だったら会の役員の皆さんでありますから、是非、現場の生産者の会員の皆さんにも情報提供をお願いをしたいということをお伝えをさせていただきました。
これに対して、出席いただいた皆さんからは、需要のある米の安定供給に努めていきたいなどの御発言があったところであります。
今後、様々、何でしょうね、取り組んでいただけるというふうに私としては考えております。
○岩渕友君 不足分が埋まる見通しは立ったのかということについては御答弁なかったというふうに思うんですけれども、大臣としては、主食用米を飼料用米として供給してほしいということなんでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 基本的には、主食用米を、ごめんなさい、飼料用米として供給してほしいというよりは、要するに飼料用米として作付けをしていただきたいと。
確かに、でも、岩渕先生おっしゃるように、その品種が、要するに餌用の専用品種というのがある中で、いや、もうこれ、今年は、要するに、例えばですけど、つや姫から、つや姫はなかなか飼料用には使わないと思いますけど、はえぬきを、うちの地元でいうとはえぬきをとか、コシヒカリをというふうにして、もう調達はしてしまっていて、しかももう多分田植が東北地方も始まっている中でありますので、そうだとすると、今植えたものの中で一部を餌に振り向けるということがまだ八月まで可能でありますので、そういうことも含めて、皆さんで需要に応じた生産を行っていただきたいという趣旨であります。
○岩渕友君 今日の答弁にも少しあったし、会見でも大臣述べていらっしゃるんですけど、地元産米とか国産米を使ってブランド化するとか差別化するということで、畜産経営されている方たちがいらっしゃるわけですよね。
コープデリ連合会というところは、一都七県で展開をされていて、生協の事業連合組織としては最大規模だというんですね。ここに出荷をしている養豚業者さんによれば、全国六十を超える農場で生産されている産直お米育ち豚というのがあって、二〇二三年度には十四・五万頭、五万頭と、国内豚肉生産の一%近くになるというんですね。一頭当たり約四十キロの飼料用米を与えていて、産直お米育ち豚ブランドだけで年間五千八百トンのお米を使用しているということなんです。産直お米育ち豚の年間売上げは百億円を超えているというんですね。で、この飼料用米は国産のものしか使用できないということになっているんですね。
日本のお米作りを支えたいという思いがあって、ブランドを守るために努力をされている方々がいらっしゃいます。そして、こうしたことを農水省自身が推進をしてきたわけですよね。水田活用の直接支払交付金では、飼料用米を一般品種で取り組んだ場合、標準単価が段階的に引き下げられています。多くの農家が主食用米を生産する意向で、もう田植が終わっています。つまり、一般品種を既に植えているということになるわけですよね、それは大臣もおっしゃったとおりなんですけど。それを飼料用米に回すということは、水田活用の直接支払交付金が引き下げられた単価で交付されるということになるんじゃないでしょうか。参考人。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。
飼料用米、先生おっしゃるとおり、飼料用米につきましては、収量に応じまして、一般品種であれば十アール当たり五・五万トンから七・五万トン、多収米であれば十アール当たり五・五万トンから、五・五万円から十・五万円という形で交付されるという形になってございます。
そういう意味では、単価のアッパーのところが一番、何というんですか、高さがちょっと違うということにはなるわけでございますが、ただ、追肥など努力をしていただいた方々にとっては、それなりに収量が上がった分だけ支払われるという形にはなるところでございます。
○岩渕友君 そうはいっても下がるので、これやっぱり何らかの手当てを検討する必要があると思うんですけど、大臣、いかがですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) これ、岩渕先生にも是非分かっていただきたいのは、飼料用米の専用品種は、なぜ我々としては、それを、補助の単価も、補助というか水活の単価も含めて高いかといえば、それは、まず多収性であって、要するに餌になるわけですから、別に餌になるものが豚にとっておいしいかどうかというのは正直言って余り関係ないというか、米だったら米でいいわけなんで、なるべく多く一反当たり作っていただきたいということの方が、食料供給力上はそれはもうプラスですということと同時に、やっぱり安定供給というのが大事ですから、要するにさっきコープさんの豚の話されていましたけど、豚肉の話、あれも山形のものも当然入っていて、山形が大体、米を使った豚の発祥的なところで、そのときは補助金なんてなくたってやっていたわけですから、そういう思いでやってくださっていたので。そういう、要するに畜産農家と水田農家とのつながりというのをやっぱり大事にしながらやっていただきたいということで、我々としては、そのためには、やっぱり専用品種でしっかりと、できれば複数年契約で安定的に取り組んでいただきたいということでやってきた趣旨で、このような制度になっております。
ですから、何というか、今年のように、実際は、要するに専用品種でやっていた方で複数年契約の方というのは、そのままやってくださっているわけですよね。そうじゃないやっぱり方々がどうするのかということがまさに今回問われていて、でも、現実としては、要するに畜産農家サイド、畜産側から見れば餌用のお米が全然足りないという状況ですから、それは、でき得る限りそれは国産で対応いただくというのが基本かというふうに思っています。
そうでなければ、要するに今みたいに、何というか、国内、国産だからといってブランドになっているものと、若しくはただ米を使っていますというものであれば、別に外国から輸入したものを使えばいいわけですから、そうなってしまったら本末転倒でありますので、是非そこは御理解をいただけると大変有り難いなと思います。
○岩渕友君 何らかの手当て必要じゃないかなというふうに思うんですね。
今、飼料用米の新しい支援策検討されていますけれども、どういった内容になるのか。米の生産性向上支援について、簡潔に説明お願いします。
○政府参考人(山口靖君) 令和九年度以降の新たな水田政策におきましては、飼料用米を含めた主食用以外の米につきまして、生産性向上の取組に対し、収量に応じた面積払いによる支援を検討しております。
その上で、地元産始めとする国産米を利用してブランド化などに取り組んできた畜産の農家の皆様には、国産の飼料用米を安定的に確保することは不可欠であり、飼料用米を提供する耕種農家との結び付きを図ることが重要であることを踏まえまして、実需者側と農業者が複数年契約などにより連携する取組に対し追加で支援を行うことを検討しているところでございます。
○岩渕友君 収量に応じた面積払いということになると、大規模に生産している農家、そして専用品種の生産をしている農家に手厚い支援ということになりますよね。
群馬県の方から、飼料用米の専用品種を作れば、補助金は減らないけれども、群馬県の中山間地域では、一枚の田んぼの面積が小さくて、隣の田んぼと同品種を作らなければ異品種混入を起こすので、現実問題として専用品種への変更が難しいのが実情だという訴えが届いています。
これ、中山間地域への支援を手厚くして水田政策の基礎的なところに位置付けるべきだと思うんですけど、大臣、いかがですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) まず、中山間地域、確かに田んぼが小さくて、あとその収量が、反収がなかなか上がらない地域が大変多いというのは私もよく認識をしております。
ですので、今与党とも相談をしておりますけれども、地域の実情を踏まえて、今後制度設計するに当たっては、要するに反収増というのをどこで見るのかということは、真ん中の基準点というのは、地域の実情を踏まえてそれぞれの地域で、ああ、このぐらいだったら頑張れるかなというような水準をちゃんと設定ができるように検討したいというふうに考えております。
また、確かにその隣の田んぼすぐあって、ぱらぱらぱらぱら、こっちは餌用の米やって、また違う品種やってというのは、確かに交雑の話とか、交ざっちゃうというのは確かに心配なので、そういうことはよく理解をできますので、必ずしも、是非これ御理解いただきたいのは、皆さん一律に何かをやってくださいということをこちらはお願いをしたいわけではありませんで、ただ、やっぱり国全体として見たときに、どんな地域であってもまずは営農ができていくというのが大事ですし、それと同時に、国民への食料の安定供給、要するに田んぼも畑も生産力をいかに上げて食料供給力を上げていくかという観点が大事だというふうに考えておりますので、また具体的にもし御相談乗れることがあれば乗らせていただきたいというふうに思います。
○岩渕友君 ちょっと現場の実態というのがあるのでね。
それで、今少し答弁にもあったんですけど、コストが高くなりがちな中山間地域などで小規模な農家がコストを賄える単価設定になるのかということが非常に気になるところだと思うんですね。
大臣、そのコストを賄える単価設定をするんだというふうに、今検討中だと思うんですけど、言ってもらったら、これ皆さん安心だというふうに思うんですね。このコストが賄える単価設定ということでいいですよねということをちょっと確認したいと思うんですけど、大臣、いかがですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) まず、その中山間地域とちょっと平場というのは、やっぱりちゃんと分けて考えた方がいいというふうに思っております。大規模で、例えば一枚が一ヘクタール以上の水田で営農ができるところは、コスト相当下がりますからそれに対応ができると思いますが、一方で中山間地域であればそういうことにはならないというふうに思っています。で、今、中山間、直接支払の見直しの議論も並行してやっておりますので、この餌用の米の政策だけではなくて、全てパッケージで、営農が継続できるという状況を私どもとしてはつくらさせていただきたいと思っております。
○岩渕友君 今、食料自給率三八%ということで、飼料用米を含めた飼料は自給率を上げる鍵になっています。
大臣に最後に伺うんですが、この需給次第で飼料用米を増やしたり減らしたりするんじゃなくて、積極的に国産の飼料に切り替えていく。そのためにも、生産も支援する仕組みに再構築する必要があると思うんですね。この飼料についてどんなビジョンを持っているのか、最後にお願いします。
○国務大臣(鈴木憲和君) 輸入飼料への過度な依存から脱却をして国内の飼料生産基盤に立脚した畜産に転換することは、畜産経営の安定に重要であるというふうに考えております。畜産農家が求める品質や価格と気象や土地の条件などを踏まえて、地域の実情に応じた国産飼料の生産を推進をしていきます。
そして、飼料用のお米につきましては、国産米にこだわって利用し、差別化を図っている畜産農家が存在をするということも踏まえまして、令和九年度以降の水田政策の見直しにおいては、畜産農家と生産者側の複数年契約などによる耕畜連携を要件にすることで、飼料用のお米が安定的に供給される仕組みとなるように今検討をさせていただいているところであります。
○岩渕友君 今、衆議院では食糧法の改正案の議論もされていますけれども、需要に応じた生産と言ってきた結果が今回の飼料用米の不足ということだと思うんですよ。この方針は見直しが必要だということを述べて、質問を終わります。