日本共産党の岩渕友議員は20日の参院農林水産委員会で、深刻なクマ被害への必要な対策と、大本にある中山間地農業の荒廃を招いた農林水産政策の改善を求めました。
岩渕氏はクマ出没について「日常生活への影響は深刻で、災害並みの対策が必要だ」と述べ、緊急対応と合わせて十分な予算の確保を要求しました。
その上で、クマの捕獲や緊急銃猟にかかわるハンターを巡り、農水省は非常勤公務員、環境省は市町村長の委託と待遇が異なっており、負傷した場合の扱いの違いなどで混乱が生じているとして、「対応を統一すべきだ」と求めました。
さらに、「米国では野生動物の科学的な個体数管理、人的被害の予防、啓発活動、農作物被害対策などを一手に引き受ける組織が設けられている。日本にも省庁連携・広域の専門的な組織が必要な段階に入ったのではないか」と提案しました。
岩渕氏は、大本にある問題として、「中山間地で耕作放棄地が増え、農村に人がいなくなったことで、人間社会とクマを隔ててきた緩衝地帯が失われてきた」と指摘。鈴木憲和農水相の「これまでの政策では中山間地域の衰退を止めることができなかった。反省している」との発言に、「具体的にどの政策を反省しているのか」とただしました。
鈴木農水相は質問に直接答えず、「中山間地域で人が暮らし営農できることが人とクマのすみ分けにも資する。しっかり支えていく」などと答弁しました。
岩渕氏は石破茂前首相が「米は『需要の価格弾力性』が低く、価格が顕著に乱高下する」と述べていたとしつつ、「大臣は『価格にコミットしない』と言うが、それではこれまでと変わらず、価格が高騰・暴落しても黙って見ていることになる」と強調。生産者から不安の声が上がっている米価暴落を防ぐため、備蓄米の機動的な買い上げや、コスト割れ時の価格保障と農家・農地を守る所得補償を求めました。
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219-参-農林水産委員会-002号 2025年11月20日
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
初めに、農林業にも大きな被害となっている熊の被害対策について質問をしていきたいというふうに思います。
熊による人身被害が相次いで起きて、亡くなられた方が過去最多となるなど、本当に深刻な被害となっています。生活圏への出没が今頻発をしていて、十一月十三日付けの河北新報、この河北新報が一面で読者アンケートの結果を掲載していたんですけれども、日々の暮らしに影響があると答えた方が約五割です。通学や通勤、そして散歩やごみ出し、そして農林業など屋外での仕事など、日常生活への影響も本当に深刻になっています。
十一月七日の日に、東北、北海道の地方議員の皆さんと一緒に、環境省などに実態と緊急の対策を求めました。実態をお知らせして緊急対策を求めました。そこで出てきたのは、災害並み、この災害並みの対応が必要だということだったんです。各地から本当に切迫した訴えがありました。防護盾が足りない、箱わなが足りない、専門家が足りない、ハンターへの報酬が少ない、また通学時のタクシー配置を行ったり、クリや柿の木の伐採など独自の対策、もう既に決めているところもあるわけですけれども、そうしたところへの支援が必要だ、こういったことを含めて、実態と要望を次々出されたんですね。熊対策を担当をされていた役場の職員の方が精神的な負担から休職を余儀なくされる、こうした実態もあるというふうに伺っています。
十四日に関係閣僚会議が対策パッケージを決定して、補正予算、そして来年度予算で必要な財源を確保するというふうにしています。地方議会では、九月議会で補正予算組みたかったんだけれども、国の補正予算が決まっていないので見送りをしたというような地方議会もあるということです。また、熊の対策に予算が掛かって、イノシシ捕獲の報奨金を減らしたと、こういうお話もお聞きをしました。自治体が緊急対策を行うための十分な予算を国が補正予算で確保するということが本当に重要になっています。この予算の確保を強く求めておきたいと思います。
それで、熊の捕獲や緊急銃猟に関わるハンターについて、農水省が民間のハンターの方を隊員にすると非常勤公務員ということになって、公務災害になるんだけれども、環境省のハンターは市町村長から委託をされたハンターということで、民間保険の対応になっているんだというふうに話を聞きました。つまり扱いが違うということなんですよね。
実際、この公務災害について調べてみますと、負傷なんかをしたときに、病院の窓口での負担が公務災害の場合はないということのようなんですね。同じハンターなんだけど、隣の自治体のハンターは特別公務員だと、自分の自治体は違うとか、同じ現場に特別公務員のハンターと委託をされたハンターが従事をしているといった場面があったり、現場で矛盾が起きているので、整理して統一した対応をしてほしいという声が寄せられています。
それで、やっていることは同じなのに扱いが違うということでいいのかということだと思うんですね。これ、対応を統一するべきだと思うんですけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(成田浩司君) お答え申し上げます。
御指摘の鳥獣被害対策実施隊につきましては、非常勤の公務員であると承知しておりますが、鳥獣保護管理法に基づく緊急銃猟制度におきましては、その捕獲者を緊急銃猟の実施主体である市町村の職員とすることも外部の者とすることも可能であり、どちらを選択するかは市町村の裁量となっております。
このうち、非常勤の市町村職員につきましては条例等により公務災害補償ということとなりますが、外部の者につきましては市町村が保険に加入することで同等の補償を受けることが可能であると考えております。環境省といたしましては、その保険料を指定管理鳥獣対策事業交付金により支援しているところでございます。
引き続き、自治体支援を通じて、緊急銃猟に御協力いただく捕獲者が安心して対応できるようにしてまいりたいと考えております。
○岩渕友君 これ、対応が違ったままということでは安心して従事できないということになると思うんですよ。それで、今後はいろいろ検討するということだというふうに思うんですけれども、これ、今既に従事をされていらっしゃるので、今何とかしてほしいという訴えなわけですよね。こうした訴えを受け止めていただいて、早急な対応を求めておきたいというふうに思います。
それで、熊対策なんですけれども、緊急対策と併せて、生態調査とか科学的な個体数管理など、熊対策の体制づくりが必要です。
アメリカでは野生動物専門の部局があると、監視員とかベアスペシャリストと言われる方たちがいて、大学で管理学を学んで、個体数管理や被害の予防、そして農業被害への対策や、熊対策は人対策だというふうに言って啓発を行ったり、総合的なことを一手に引き受けているというわけなんですよね。
野生動物の農林業に与える被害というのは、熊もありますけれども、鹿やイノシシなども含めて深刻になっています。日本でも省庁横断で、熊には県境ありませんから行き来するわけなので、例えば東北とか北海道とか、地域ブロックというんでしょうかね、こういう広域な単位での組織が必要な段階に入っていると思うんですけれども、いかがでしょうか。これ、大臣に。
○国務大臣(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。
まず、委員から御質問をいただいて、このアメリカの野生鳥獣管理庁のことを、今私もちょっと資料で、ああ、なるほどなというふうには思ったんですが、ただ、アメリカと我が国では地形や生息している鳥獣が異なるなど情勢が異なるため、アメリカ、米国の組織と同様の組織を我が国にも設けることが、この東北ブロックとかいう単位でもですね、妥当かどうかというのは、ちょっと正直私の立場から論じることは難しいというふうに考えています。
今回のクマ被害対策パッケージの取りまとめに当たっては、官房長官主宰の関係閣僚会議において、関係省庁連携の下、緊急的、短期的、中期的の三段階で関連施策を総合的に取りまとめたところでありまして、これも関係閣僚会議でありますから、要するに、いわゆる縦割りで、これは何省、これは何庁とかというんじゃなくて、もうどこもかしこも全部これに対しては対応しようということで長官からも御指示をいただいておりますので、農林水産省としても、まずは農業者の皆様が安心して営農できるように、クマ被害対策パッケージの迅速かつ着実な実施も含めて関係省庁としっかりと連携をして、またこれは、やはり今先生から御指摘のあった現場の、特に自治体の皆さんにとっても大変な緊張感とか不安感になっているというのもよく私も理解をしております。
ちなみに申し上げると、よくニュースになったあの南陽市の赤湯小学校というのは私の地元でありまして、熊が小学校に入ってきたというところでありますが、そこも、見回りに市役所の職員の皆さん対応していただいたら、その方が要は熊に襲われて大変なけがを負って、先日、本人にもお見舞いに行ってきたところなんですが。
ちょっとそうしたこともよく踏まえて、今までとはもうフェーズが違うという理解の下でしっかり取組をさせていただきたいと思います。
○岩渕友君 今大臣が日本とアメリカ違うというお話だったんですけど、日本の専門家も、そういう体制必要じゃないかと、組織づくり必要じゃないかというふうに提案されているんですね。農業にも林業にも深刻な被害が出ていると。省庁横断とお話ありましたけれども、関係閣僚会議で是非検討いただければなというふうに思います。
そもそも、これだけ深刻な被害になっている大本に何があるのかということですよね。山の手入れができなくなっていると、で、農家が減って中山間地で耕作放棄地が増えて、農村に人がいなくなる。人間の社会と熊を隔ててきた緩衝地帯が失われてきたということがあります。これまでの農林水産政策の結果が、熊が人間の生活圏に出没する要因つくっていると、被害を深刻にしているんだということだと思うんですね。中山間地域で農業を続けられるようにしていく、中山間地の再生が熊対策としても重要だ、この指摘が本当にあちこちから寄せられています。これが熊対策の要だというふうに思うんですね。
中山間地域の再生を対策パッケージ、熊の対策パッケージにも入れるべきではないでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 御指摘ありがとうございます。
委員の問題意識、私も全く問題意識自体は共有をしているところであります。政府として、まず今回取りまとめたこのクマ被害対策パッケージの中期的に取り組むものといたしまして、人の生活圏とのすみ分け、そして生息環境の保全整備に向けた、要するにこれは針葉樹と広葉樹の混交林ですね、あとは広葉樹林への誘導等を明確にまずは位置付けたところであります。
やはり、この中山間地域が、しっかりと人が暮らすことができてそこで営農ができていくことが結果としてはそうやって熊とのすみ分けにも資するというのは全くそのとおりだというふうに思いますので、ちょっと今回のクマ対策パッケージには、何というか、本来であれば位置付けられていてもいいような気もしなくもないような一方で、確かに明確には書いておりませんが、我々としては、この中山間地域をしっかり支えていくということは問題意識を持って取組をさせていただきたいと思います。
○岩渕友君 中山間地域、以前は田んぼだったところがもうやぶのようになっていたり、こんなところがあちこちにあるわけですよね。
先日、私、地元が福島なんですけれども、この地元の福島県内で、中山間地の実態を農家の方にお伺いをしました。地域の中でやっぱり助け合いながら農業取り組んでいらっしゃるんです。だけど、やっぱり大変なんですよね。来年も頑張れる、そういうふうにしてほしいという訴えをいただきました。
大臣は所信の中で、中山間地域について、これまでの政策では衰退を止めることができなかったというふうに述べています。私もそのとおりだと思うんですね。だから、政策を抜本的に見直す必要があると思うんです。大臣は、続けて、反省というふうにも言っているんですね。具体的にどの政策を反省していらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) お答えを申し上げます。
まず、中山間地域については、都市に先駆けて人口減少、高齢化が進む中で、農林水産省としてはその時々の課題に応じた施策を講じてきております。一部には田園回帰の流れもありますが、中山間地域においては、稼げる農業、魅力ある農業が広く実現できていて、そこに要は人の流出が止まるという状況にはなっておらず、地域の衰退という大きな流れを止めることができなかったというふうに考えております。
所信で私がこの反省をよく踏まえというふうに申し上げたことについては、私自身で書かせていただいた文章であります。私としては、中山間地域においても、どんなに条件不利だったとしても、将来にわたって営農して稼ぎ、暮らしていける農政をまず実現をしたいというふうに考えております。
中山間地域における実情や課題は多種多様であり、同じ手法で解決が図られるものではないことから、それぞれの地域において、支える、稼ぐ、関わるといった施策を適切に組み合わせて使っていくとともに、やはりその支援制度についても、地域が取り組みやすいものになっているかといえば、なかなか事務負担が大変だとか様々な声もありますので、そうした声にもしっかり応えていくことが重要だろうというふうに思っております。
具体的にどの政策が一体全体反省しているのかという御指摘ですが、私の問題意識として申し上げますと、まず、現状の中山間地域等直接支払交付金、この水準が十分なものであるかどうかについては、私自身はそうは思っておりません。
そして、それ以外にもまだまだ、現場の皆さんの話をよく聞きながら、何をするとその地域でちゃんとみんなでやっていくことができるのかということについて、いい事例も実際あります。例えば集落営農、島根県では本当にたくさんやっていただいておりますけど、何というか、なかなか年齢のいった皆さんであったとしても、元気に地域を守って、それを生きがいに頑張っていらっしゃる方もいますが、その地域においては何が肝だったかといえば、基盤整備を、中山間であったとしてもやれる基盤整備をやったということが大変良かったというふうに評価をいただいておりますので、そうしたことを一つ一つ、できる限り多く現場にもお伺いをして、対応策変えていきたいというふうに思っております。
○岩渕友君 今大臣が支える、稼ぐ、関わるという話もされていましたけど、これ、支えるということになると、これからは中山間地の農業で生活できる、米作りで生活できると、それを国が担保するというふうに受け止めていいということなんでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) どういう形でどのぐらいの規模感でやるかによってもこれは当然変わってくるんだと思いますが、基本的にはこのぐらいの感じでやっていただければ、それは中山間であったとしてもしっかり営農が成り立って、そしてもう一つ、私は、営農だけではなくて、大切だと思っているポイントは、農業をやって稼げればいいやという話だけではなくて、実はその暮らしとして見たときに、私たちの世代であれば子育てをしますから、教育の環境がどうであるとか、そういった課題もあるというふうに思っています。そういうことも、よくこれは自治体の皆さんとも相談をして、一つでも解決をしていきたいというふうに思っております。
○岩渕友君 中山間地は、米の生産全体の中でも、米生産で大きな割合を占めているわけですよね。中山間地域での米作りがやっぱり成り立たなかったら、また米が足りないということになり得るわけですよね。
スイスでは、政策を大転換して、山間部の農業を軸にして農業予算を組んでいて、日本円で約二・八兆円投入しているというんですよ。農業従事者全体の平均年齢約四十八歳、非常に若いんですけど、特に条件不利地の支援を手厚くしているということで、山岳地帯で若者たちが農業をやっていると。平地と比べると、山岳地帯の平均年齢、更に低くなっているということなんですよね。大規模化といったことだけではなくて、中山間地で米を作り続けられる手厚い支援、これがやっぱり必要だと思うんです。
米をめぐっては、今、米がじゃぶじゃぶの状態になっている下で、生産者からは、米の価格が下がるんじゃないかという不安の声が上がっています。生産者が再生産できる価格、そして消費者が手に取ることができる価格、これが本当に大事です。
石破前首相は、米は価格の上下によって需要が変動しづらい、つまり価格の方が乱高下する、米は需要の価格弾力性が低いといったことを国会で答弁されています。
大臣は、この価格弾力性についてどう評価されているでしょうか。大臣も石破前首相と同じ考えでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。
まず、米を始めとする食料品は、生活にとって必需品であることから、一般的にほかの消費財に比べて需要の価格弾力性が低いということとされています。これは、言い換えますと、需要に対して供給の過剰や不足が生じた場合、大きな価格変動が起きやすいということであり、米は、ほかの商品に比べて、消費者は価格が高くても、ほかの商品だと買わなくなるところを、米は要するに主食でありますし、毎日食べるものでありますので、買う傾向にあるということになります。
このような性質を踏まえれば、主要食糧である米については、国が需給の安定を図ることによって結果として米価の安定が図られていくべきというのが政策の基本的な考え方であります。
今後とも、生産量や需要量の変動の把握に努めるとともに、複雑多様化する米の流通実態を把握することにより、需給動向に関する一層精緻な情報の提供に努め、価格の安定につなげてまいりたいと考えております。
○岩渕友君 POSデータなんかを見ると、こんなに米の価格が上がっているのに需要は減っていないわけですよね。データがそういうことを証明していると。私は石破前首相の言うとおりなのかなというふうに思うわけです。
あわせて、大臣は、価格にコミットしないというふうにも述べています。これは、価格が高騰しても暴落しても、それを黙って見ているということになるんだと思うんですね。これ、コミットしない理由は何でしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 何というか、今ちょっと私がその価格の高騰と暴落を黙って見ているのかという話でしたけど、御説明を申し上げますと、米の価格については、まずマーケットの中で需給状況を基に決まっていくことが大原則であると考えていることから、価格にコミットしないと申し上げているものです。
ただ、国の責任は、まず需給の安定を図ることによって結果として価格の安定が図られるということが重要との認識であることはこれまでも示してきたとおりでありますし、これは食糧法の趣旨そのものであるというふうに私としては認識をしております。
その上で、米の価格については、先ほど委員からもおっしゃっていただいたとおりで、米の安定供給を図るためにも、生産者の再生産や再投資が可能であり、消費者も安心して購入できる価格であることが必要であると考えております。
○岩渕友君 まあ、今のがコミットしない理由になるのかなということも思うんですけど、江藤元大臣は、率直にお金が掛かるから無理だというふうに答弁されていたというふうに聞いています。
備蓄米で価格をコントロールする、で、差額を補填するということが必要です。これまでどんなに米の価格が下がっても政府は何もしてこなかったと、米を作る農家の時給が十円だ、百円だという状況の下で、これでは米を作り続けることができないということで、離農が相次ぎました。
米の価格が高くなっても離農が止まらなかったのは、米の価格が下がっても政府は何もしてくれないという不安があったからだというふうに思うんですね。大体、価格にコミットしないというんだけれども、備蓄米放出でコミットしたんですよね。
先ほども述べたように、生産者からは今後米の価格が下がるんじゃないかという不安の声が上がっています。生産者価格の暴落を防ぐために、時期を見て機動的に価格支持のための買上げ、これするべきじゃないでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。
まず、ちょっと申し上げておかなければならないのは、備蓄で価格に、備蓄の、何というか、出し入れで価格にコミットをしたというのは、私としてはしておりません。
その上で申し上げますと、政府備蓄米は、食糧法の規定に基づき、米穀の生産量の減少によりその供給が不足する事態に備え必要な数量の米穀を在庫として保有しているものでありまして、また、備蓄の円滑な運営を図るため、政府は米穀の買入れ及び売渡しを行うこととされています。したがって、委員御指摘のように、価格の維持を目的とした政府買入れは行いません。
そして、なお、政府備蓄米については、令和八年産米について、二十一万トンを事前契約により買入れ予定であるほか、五十九万トンについても今後の需給状況等を見定めた上で買戻し、買入れを行うこととしております。
○岩渕友君 結局は、価格が暴落しても、それは黙って見ていることだというふうに言わざるを得ないと思うんですね。
それで、米は足りていると言ってきた政府が、生産量が不足していたということをようやく認めました。今日、もう何度も議論されていますけど、需要に応じた生産というんですけれども、これは生産者が自分で判断しろということです。農水省でも米の需給を見誤ったのに、どうやって需給に応じた生産しろというのでしょうか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) まず、農林水産省がこの需要の見通しを見誤ったということについては、もう本当に全くそのとおりでございますので、大変反省をしているところでありますが、もう二度とこういう事態は引き起こさないという反省の下にこれから対応させていただきたいというふうに思っております。
米政策については、平成三十年産より生産数量目標の配分を行わない政策へと移行して、各産地や生産者が主食用米の需給動向等を踏まえて自らの経営判断により作付けを行う、需要に応じた生産を推進してきたところであります。
具体的には、各産地や生産者が地域の生産条件や自らの経営状況を踏まえつつ翌年の主食用米等の作付けを的確に判断できるよう、国は、米の需給見通しを策定するほか、産地ごとの在庫状況や銘柄ごとの価格動向など需要動向に関するきめ細かな情報の提供を行っているところであり、引き続き、各産地や生産者が需要に応じた生産に取り組めるように、判断基準になるような情報の提供というのはしっかりと努めてまいりたいと思います。
○岩渕友君 米の作付けは一年に一回なので、例えば種もみ注文したときには考えられなかったようなことが起こる可能性というのはあるわけですよね。それを生産者が自分で判断するというのはやっぱり難しい、できないということだと思うんですよ。ぎりぎりの生産じゃなくて、ゆとりを持った生産、やっぱり増産が必要だということです。
増産すれば価格が下がるので、備蓄米でコントロールが必要だと、コスト割れしたときは価格保障が必要です。あわせて、中山間地域のように、条件不利地で生産することを評価して、農地を守っていることを評価する、これ所得補償が必要ですよね。今こそ価格保障、所得補償が必要だ、このことを強く求めておきたいというふうに思います。
米の価格が高止まりしているということで、お米屋さんも苦しい状況になっているんですよね。日本米穀商連合会、日米連が行ったアンケートでも、運転資金の確保が課題になっているというんです。今後、米の価格が下がれば更に経営が苦しくなるわけですよね。備蓄米放出をしたときに、やっぱり相手のニーズに合わせて届けることができる、もう毛細血管のようにお米を隅々まで届けることができる町のお米屋さんの重要性って非常に明らかになったわけですけど、今お米屋さんが設備の老朽化で廃業の危機に追い込まれているという状況です。
米穀店が食料のサプライチェーン守って緊急時に消費者への対応できるということを考えれば、社会インフラとして精米設備等に助成をするべきだと思うんですけど、いかがでしょうか。そして、お米屋さんが量販店に押されてくる下で切れてしまった卸と小売、このルートの再構築、必要じゃないでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) まず、委員御指摘のとおり、町の米穀店は、消費者に直接販売するだけではなくて、それぞれの地域の小規模なスーパー、そして飲食店や学校などの給食などにお米を卸しており、お米を消費する様々なシーンを支え、消費者にお米を届ける重要な役割を担っている存在であることは私自身もよく承知をしております。他方で、中小企業が多いほかの分野の食品流通業と同様に、人口減による商圏の縮小、後継者不在による事業承継の困難さなど、様々な課題にも直面をしております。
このため、農林水産省といたしましては、農業競争力強化支援法により、米流通事業の再編を行う場合には日本政策金融公庫による低利融資等の支援をしてきたところであります。
引き続き、これらの支援も活用して町のお米屋さんも含めた米のサプライチェーンの強化を推進してまいりたいと思いますし、私自身も、一度、町のお米屋さんにもお邪魔をさせて、いろんなお話も伺わさせていただければと思います。
○岩渕友君 設備の助成も是非検討いただきたいというふうに思います。
次に、スルメイカ漁をめぐる問題について質問します。
大臣は、小型スルメイカ釣り漁業の漁獲量が配分を超過したことは大変遺憾だというふうに述べました。この発言に漁師さんたちが怒っているんですね。大臣の発言が小型スルメイカ釣り漁業の漁師さんたちが好き放題捕って配分を超過してずうずうしいという印象を国民に与えることになったというふうに思うんですね。
一人一人の漁業者に全国の漁獲の状況を把握しろと言うのか、管理しろと言うのかという怒りの声が上がっています。漁業者にはどうしようもないことで配分を超過したというふうに責められることになれば、漁師の皆さんが怒って当然だと思うんです。大臣、どうですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) まず、十一月十四日の会見におきまして、小型スルメイカ釣り漁業の漁獲量が七千七百九十六トンとなり、配分量の一三五%と大幅な超過となったことに対して私自身大変遺憾と発言をさせていただきましたが、これについては現在も全く同様の認識でございます。
今期の小型スルメイカ釣り漁業の操業においては、現場からの漁獲状況の報告にタイムラグがあったことが超過の原因となったというふうに認識をしております。
TACの適切な管理のためには、小型スルメイカ釣り漁業の団体において迅速かつ的確な数量管理を行う体制の整備が必要であり、次期管理年度に向けて、全漁連と協力の上、情報システムの活用を含め検討してまいりますし、さらに、特定の地域における、これ特定の地域におけるというところが重要だと思っていまして、そこの漁獲の集中により、地域間で、本来これから漁に出ようと思っていた方が漁に出れないというような、そういう不公平が生じているとの指摘もありますから、これについては、全漁連とともに、小型スルメイカ釣り漁業の配分数量について、海域別や期間別の管理等についても検討したいと思います。
是非御理解をいただきたいのは、天然の資源というのは限られている中で、私たちとしても、その水産資源の安定的な確保と、漁業者の皆さんのやはり安定操業と経営の安定性ということも考えてこうした取組を行っておりますので、是非、その点については全ての関係する漁業者の皆さんにも御理解をいただきたいというふうに考えております。
○岩渕友君 漁獲量を漏れや遅れなく把握する体制整えるのは水産庁の仕事だというふうに思うんですね。
全国の小規模なイカ釣り漁業者の皆さんは、もう何年も前からイカ資源を根こそぎにする大臣許可漁業の規制を求めてきました。それにもかかわらず、今期のTACが少数の底引きの配分が六千五百トンになったのに対して数百隻の沿岸のイカ釣り漁師には全員で四千九百トン、余りにも不均衡な、不公平な配分になったというふうに思うんですね。
TACの配分ですけれども、まずはやっぱり零細な沿岸漁業を最優先にするべきだということを求めて、質問を終わります。
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