参院資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会は15日、国際情勢の変化とエネルギー安全保障(再生可能エネルギーをめぐる現状と課題)をテーマに参考人質疑を行い、日本共産党の岩渕友議員が質問しました。
岩渕氏は、アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃で、化石燃料への依存からの脱却がいよいよ重要になっていると指摘。一方、日本が石炭火力発電の稼働率を引き上げている問題を示し、環境エネルギー政策研究所主任研究員の山下紀明氏に、国際的な動きをたずねました。
山下氏は、2025年前半の6カ月は再エネが石炭火力を抜いて世界最大の発電になったとし、その理由は経済合理性が高いからだと強調しました。あわせて国内では、公共施設への太陽光発電設置や小水力発電など、雇用も増やすなど地域経済循環に貢献している地域新電力など、全国各地で取り組みが進んでいることも紹介しました。
外壁や道路など、これまで太陽光発電の設置が難しかった場所でも活用できるペロブスカイト太陽電池の事業化を進めている積水ソーラーフィルムの森田健晴取締役は「フィルム型は技術を確立できれば世界市場でも優位に立てる可能性がある」と述べました。
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221-参-資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会-002号 2026年04月15日(未定稿)
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
参考人の皆様、本日はありがとうございます。
初めに、山本参考人にお伺いをします。
私は福島県の出身なんですね。東京電力福島第一原発事故から今年で十五年ということになりました。今もあの数万人の方々があのふるさとを奪われていて、福島第一原発自身も今も緊急事態宣言出されたままとなっていて、燃料が溶け落ちたデブリですよね、八百八十トンあるというふうに言われていますけれども、今のところ取り出しているのは〇・九グラムだということで、事故も被害も終わっていないというふうに思います。あわせて、核のごみの処分についてもめどが立っていないという状況です。
私は、避難をしている方々から、自分たちと同じ思いをする人をもうつくってほしくないという声を何度も聞いてきたので、こうした事故の実態や避難する方々の思いについて参考人がどういうふうに考えていらっしゃるか、お伺いしたいなと思います。
○参考人(山本隆三君) 原子力事故が起こったというのは非常に不幸な出来事ですけれども、今お話があったように、もうつくってほしくないというのは、避難している方の気持ちであると同時に、日本国民全員の総意だろうと思います。
そのために今何をやっているか。それは、原子力規制庁が安全性を高めたということを、高めるということをやっているわけですね。そのためにいろいろ時間が掛かりますし、お金も掛かります。
ただ、それによって原子力発電を利用するというのは日本の国民の意思で、今、世論調査では、原子力発電を利用すべきが六割ぐらいで、もうやめるべきが三割ぐらいという調査も出ています。やはり、そういうふうに国民の意識が変わっているのかなと。
特に、年齢層によって、私の研究室でも、静岡県で、浜岡周辺で反対の多い地域でアンケート調査をやったんですけれども、八千人から回収したんですけれども、年齢層によって賛否が非常に違います。若い人ほど賛成が多い。見事に年齢が上がっていくに従って反対が増えていきます。一番反対が多いのは七十代です。ということで、国民の総意として賛成が多い。
特に、これから世代を、これから社会を担う世代の賛成が多いということを、我々よく考えなければいけないんだろうと思います。これから社会を担う人に、いかに給料を上げて生活を良くしていくか、そういう環境を提供すべきだというふうに思います。
○岩渕友君 ありがとうございます。
次に、森田参考人にお伺いします。
ペロブスカイト太陽電池ですけれども、外壁であるとか内窓であるとか、屋根とか道路とか、これまで太陽光発電の導入が難しかった場所でも活用できるということで、大変注目されているというふうに思っています。事前の資料に、自治体からの問合せが最も多いというふうに参考人のコメントであったんです。
今日のお話の中でも、公共部門への導入についてお話ありましたよね。この公共施設に設置するということが非常に重要だと思うんですけれども、その際に課題になっていることがあれば教えていただけますでしょうか。
○参考人(森田健晴君) ありがとうございます。
まずは公共エリアから、CO2をたくさん排出、要は削減をできるようにするためにたくさんの面積を置かないといけないということで、まず公共からということになっているんですけど、そういうところでいうと、結構課題に関しては次々と今各省庁様の方で理解していただいて、前向きな方向で議論は進んでいるんですけれども、やはりその建物の周辺で置いていくというと、現状の様々な規制というところが要は障害になる可能性があると。その規制の中には、当然安全を確保しないといけないということで必要なものも当然あるんですけれども、これまでこういう軽量の太陽電池を想定していない形でルールあるいは規制ができてしまっているようなものは、そもそもこの規制って何のためにあるのかなというところに立ち返って見ていただくという形にすれば、安全性を確保しながら規制を、ある領域に関しては規制を緩和していただいて、設置できる面積を増やしていく。あるいは、その規制をクリアするために、モジュールを、しっかりいろんなことをしてコストが上がってしまうものを、不必要な対策は打たなくても置けるようにしていただければコストとして下げれるということで、社会実装を進めていく上ではそういう規制のところにある程度踏み込んだ議論というのが今後も必要かなと。
例えば、建築基準法は国交省様、消防法は総務省様とかいろいろあって、私ども相談させていただいている資源エネルギー庁様の方も、こういうことって今まで余りなかったんじゃないかなと思うんですけど、各省庁を超えて様々なところに、我々も行くんですけれども、経産省の方々も乗り込んでいっていろいろ御相談をしていただけるという形で、まさに日本では結構縦割りが今まであったと思うんですけど、他国を見たときにそうじゃなかったりするので、そういう意味では、それに勝つためにはこういう形じゃないとというところはいろいろ共有しながら進めさせていただいて、今のところいい形にはなってきているかなというふうには思っております。
○岩渕友君 ありがとうございます。
次に、山下参考人にお伺いします。
原発は電気料金に明示されない巨額な費用が掛かっていて、経済合理性がないということは明らかになっているというふうに思うんですね。安全性や持続可能性の面から見ても再エネを主流にしていくことが重要だというふうに私は思っています。しかも、今日もお話ありましたけれども、アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃でホルムズ海峡が封鎖をされるということで、化石燃料の依存度を下げるということが重要になっていると思います。
ところが、日本は石炭火力発電の稼働率を引き上げるということになっていて、こんなときだからこそ再エネへの転換を進めている国もあるというふうに聞いているんですけれども、世界の動きについて教えていただけますでしょうか。
○参考人(山下紀明君) ありがとうございます。
そもそも、日本においても今、再生可能エネルギーで電気の二五%は供給していると。特に、二〇一三年頃から考えると、そのほとんどの増加分というのは太陽光が担っていると。これは現状でも増え続けている。
世界では、去年の再エネ業界の一番大きなニュースは、二〇二五年の前半の六か月ですね、石炭火力を抜いて再エネが世界最大の発電源になったということなんですね。その意味では、危機いろいろ起きていますけれども、世界全体で増え続けている。なぜかというと、それは環境のためではない、やはり経済合理性があるところから入っていっているからということになります。
それでいえば、各国で増えている。ただし、追加の手段をどれだけ打っているかというと、やはり現状、化石燃料の方であったり再エネの方で、まあ両面見ているというのが実情かと思います。
例えば、アメリカでもトランプ支持者が多い州の方が再エネが増えているというデータもあるんですね。それはやはり経済のためだからというところで、特別に何かをしていなくてもずっと増え続けている。ただし、一部で、やはり洋上風力でコスト高で止まったりですとか、中国の太陽光パネルの価格が上がったりですとか、短期的な上下はありますけれども、中長期的に見て、やはり経済性も含めて入っていくというふうに考えております。
○岩渕友君 ありがとうございます。
続けて、山下参考人に伺います。
私も各地の再エネの取組について見てきたんですね。例えば、今日の資料にもある二本松の営農ソーラーもですし、福島市にある土湯温泉ではバイナリー発電が行われていて、その利益を地域に還元したり、観光に役立てたり、雇用を増やしたり、地域に貢献する取組があるわけですよね。
こうした取組、全国にもあると思うので、ちょっと全国の事例も紹介をいただきながら、再エネならではのいいところを是非教えていただけますでしょうか。
○参考人(山下紀明君) ありがとうございます。
資料で申し上げると、例えば四十六ページ、こちらは、既存の発電所を草刈りをして、草花をより増やしていくですとか、ニホンミツバチ等をやるということ書いてありますけれども、そもそもこれをやっているおひさま進歩エネルギーというのが日本における地域のエネルギー事業のパイオニアでございます。
二〇〇四年から環境省の支援も受けて、私たちもお手伝いして、全くその再エネがほぼなかったところから再生可能エネルギーを、例えば幼稚園ですとか、市立、市営の建物の上に付けて、地域で経済も循環していくというのを二十年続けてきているんですね。当時、地元のスタッフはゼロだった、ゼロというか一人だったんですけれども、今は十何名、Iターンの方も含めて雇用している。それをさらに、この自然共生型によって新しい取組をしていく、水力発電所を地域の声も得ながら造っていくということもしています。
ほかにも、今、ご当地エネルギー協会というのを私たちも事務局でやっていて、こちらも五十以上の団体が入っていたり、地域新電力ですね、電気の小売と再エネの開発も行うような地域新電力を進めているローカルグッドという団体もあったり、小さいけれども、地域に受け入れられて、地域に経済効果をもたらしているような、いい事例というのがたくさんございます。
今日は資料にございませんが、もう今林業が全然盛んではなくなっている中で、木質バイオマスを使って、四国ですとか、例えば神戸の方ですとか宝塚の方ですとか、関西で取り組んでいる団体もありますので、そういった小さな取組を、経済性とルールだけで排除せず、地域のいい取組を拾っていけるような支援というのも重要だと思います。
○岩渕友君 以上で終わります。ありがとうございました。
