参院資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会は11日、エネルギー安全保障をめぐる環境変化と日本の対応について参考人質疑を行い、日本共産党の岩渕友議員が質問しました。
岩渕氏は「東京電力福島第1原発事故から15年たっても事故も被害も終わっていない。事故を起こせば取り返しのつかない被害をもたらし続ける原発はゼロにすべきだ」と強調。エネルギー安全保障の観点からも、再生可能エネルギーこそ重要な電源だとし、再エネ導入を拡大するために必要なことについて、参考人の見解をたずねました。
独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構の有馬純特命参与は、再エネ一本打法は難しいとしながら、「再エネはコストが下がってきて主力電源になる可能性がある。化石燃料の依存度を下げるメリットもある」と述べました。
岩渕氏は、日本の政府系金融機関である国際協力銀行が融資する、モザンビークの液化天然ガス(LNG)開発を巡り、昨年来日した現地の人から人権侵害の訴えがあったと紹介。「自国の安全保障のためだといって、人権や環境を犠牲にすることはあってはならない」と主張しました。
LNG確保の重要性について発言した公益財団法人中東調査会の高橋雅英主任研究員は「LNG開発に伴う人権侵害はフランスで訴訟になっている。国際的なルールに沿ってビジネスを行うべきだ」と答えました。
221-参-資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会-001号 2026年03月11日(未定稿)
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
参考人の皆様、今日は本当にありがとうございます。
私は福島県の出身です。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から今日で十五年になりました。原発事故によって今も数万人の方が避難をして、福島第一原発は今も緊急事態宣言が出されたままです。事故も被害も終わっていません。事故を起こせば取り返しの付かない被害をもたらし続ける原発はゼロにするべきだというふうに私は考えています。
一方で、地域と共生する再生可能エネルギーは、国産エネルギーで、どこにでも豊富に存在をしているということから、エネルギーの安全保障という観点からも重要な電源だと思っています。
それで、初めに有馬参考人にお伺いをするんですけれども、参考人が経済産業省で早くから再生可能エネルギーに取り組んでこられたというふうにお聞きをしました。再生可能エネルギーの導入を拡大するために必要だと考えることについて、参考人のお考え、是非お聞かせください。
○参考人(有馬純君) ありがとうございます。
御指摘のとおり、私、経産省にいるときに新エネルギー課におりまして、今のFITの前のRPSの導入の、言ってみれば準備作業などをやっておりました。
当時は、やっぱり再生可能エネルギーの位置付けというのはエネルギーミックスの中でも非常にマイナーなものであって、それで正直本当にプレーヤーになるのかというようなことを言われていたわけなんですけれども、やはりそれから二十年近くたって、再生可能エネルギーのコストというものは非常に下がってきたというところはあります。ですから、主力電源になる可能性があるということで位置付けも大きく変わってきたというふうに思っております。
委員が御指摘のように、国産の再生可能エネルギーを導入拡大することによって、輸入化石燃料の依存度を下げるというエネルギー安全保障上のメリットはあるというふうに考えております。
他方で、そうやって日本でいっぱい導入されてきた再生可能エネルギーの大半が中国製のパネルであったということも忘れてはならないということだと思いますし、それから、いわゆるその再生可能エネルギーを含めたクリーンエネルギー技術において、中国産が圧倒的な強さを誇っている。さらに、クリーンエネルギーにとって不可欠な重要鉱物においても、中国がサプライチェーンを握っていると。したがって、そういったエネルギーへの依存度がどんどん増えてしまうということになると、別な意味の経済安全保障上の問題をもたらす可能性があると。
それから、あと、再生可能エネルギーは出力変動いたしますので、再生可能エネルギー単体では発電コストはゼロでありますけれども、それを電力コストに入れるための蓄電池あるいは送電網の強化、あるいは化石燃料火力の調整運転といったものを考えると、その導入コスト、統合コストというものも考えなければいけない。
したがって、再生可能エネルギーは有力なオプションであるけれども、その一本足打法というのは私は限界があると。したがって、いろいろなエネルギー源を組み合わせて使っていくというのが日本にとっての望ましい方向だと考えております。
○岩渕友君 ありがとうございます。
次に、高橋参考人にお伺いをします。
事前に私たちに配付をされている資料にモザンビークのLNGについて記述があったんですね。実は昨年、モザンビークの現地の方々が来日をした際に、このLNGの事業について話を聞いたんです。この事業は、三井物産やJOGMECの合弁企業が出資をして、国際協力銀行が融資をし、日本貿易保険が付保をするなど、公的支援が行われているんですよね。ところが、この事業に関わって、現地の皆さんの話では、その住民からの申立てがある、人権侵害が報告をされているということなんですね。同様のことがアメリカでも、そしてインドネシアでも起きているということで話を聞いてきました。自国の安全保障のためだといって、現地の人々の人権であるとか環境を犠牲にするということはあってはならないことだというふうに思うんですね。
こうした事態が起きているということについて、参考人がどう考えるかをお聞かせください。
○参考人(高橋雅英君) 御質問いただき、ありがとうございます。
私もモザンビークのこの情勢というのはもうかれこれ十年ぐらい追っておりまして、この事業、LNG事業が始まる前からこの情勢を見ている中で、こうした巨大ガス田が、モザンビークの中でも比較的に貧しい北部の取り残された地域でガス田が、事業が進んでおり、そうした開発に伴う地元への裨益というのが軽視されているような状況です。この人権侵害に関しましても非常にセンシティブな問題になっておりまして、このオペレーター、操業主体であるフランスのトタルエナジーズもフランスで現在訴訟を受けているような状況です。
そうした中でも、現在、やはりこのLNGを必要とする国が多く増えているような状況もありますので、この人権保護とビジネス活動というのは国際的な規約に沿って必ず実施されるべきだと考えております。
○岩渕友君 ありがとうございます。
次に、加藤参考人にお伺いをします。
今日、南鳥島でのレアアース泥の話を聞かせていただきました。先ほども話があったんですけれども、南鳥島というと、先日、経済産業省が小笠原村に対して高レベル放射性廃棄物をめぐって文献調査を実施するための申入れを行ったということで、これに対して心配だという声も上がっています。
それで、先ほどのやり取りの中で、ちょっと発言は控えようかなというふうに思っていたというお話もあったんですけれども、このレアアースの採鉱との関係で現時点で懸念されるようなことがあれば教えていただきたいなと思います。
○参考人(加藤泰浩君) どうもありがとうございます。
まず一つは、先ほど言ったように、文献調査というか、核の廃棄物処分に南鳥島をというところと私が言っている資源の開発は恐らく余り関係がない。それはなぜかというと、南鳥島から南に二百五十キロとか、そのぐらい離れたところでやりますので、基本的にそのぐらい影響を受けることは私はないというふうに考えております。
以上です。
○岩渕友君 ありがとうございます。
そうしましたら、有馬参考人にお伺いをするんですけれども、今日もちょっとお話あったんですが、トランプ大統領がパリ協定から離脱を宣言したということで、これは国際秩序を分断することになって非常に重大だと思っています。だけれども、この脱炭素の流れは止められないということで、アメリカの国内では企業も市民団体もこれまでの方向で進んでいるというふうに聞いています。
このトランプ政権のこうした状況に日本はどう対応するべきか、ちょっと改めて参考人の考えを教えてください。
○参考人(有馬純君) ありがとうございます。
トランプ大統領がパリ協定から離脱をしたと、日本もそれに倣うべきだという議論も一部にあるやに聞いているんですけれども、ただ、私はやはり日本は脱炭素というその目的を放棄すべきではないというふうに考えております。
ただ、やはり脱炭素施策を進める上で、それがエネルギーコストの大幅な上昇につながると、それが日本の製造業にとって非常に事業環境を悪化させるということになった場合には、やはりそういったスピードを調整するといったことは必要だと思っておりますし、そのためのいろいろな手段は可能な限りたくさんそろえておいた方がいいと。その上でも、私は原子力というのは非常に重要な打ち手になるというふうに考えているところでございます。
トランプ大統領の施策の中で、例えばCCSであるとかあるいは次世代原子炉技術、これについてはトランプ政権も非常に熱心であるということですので、脱炭素に背を向けたトランプ政権との間でも技術によっては協力をできる分野というのは当然あると思いますし、それから、日米同盟ということを考えたときに、アメリカの化石燃料の輸入というのは日本のエネルギー安全保障上のプラスになるという側面もありますので、いろいろな多面的な協力の仕方を考えていくということではないかというふうに考えております。
○岩渕友君 ありがとうございます。
じゃ、最後に高橋参考人にお伺いをしたいんですけど、これも事前の資料でオーストラリアの資料があったんです。
オーストラリアは世界有数の石炭、LNGの輸出国だということなんですが、同時に、豊富な資源を生かして今再生可能エネルギーの導入を進めているということで、報道も見ています。オーストラリアでもこの再生可能エネルギーの導入拡大にかじを切っていると。この拡大、大事だと思うんですけれども、参考人の考え、再生可能エネルギーについて是非お聞かせください。
○参考人(高橋雅英君) 御質問いただき、ありがとうございます。
御言及のとおり、オーストラリア、今非常に太陽光発電が拡大しておりまして、やはりオーストラリアのような平地で大規模に面積があるような土地で日照時間も確保できるような場合ですと、電源構成の多角化において、そうですね、再生可能の導入というのは重要となっていくと。
一方で、オーストラリアは石炭火力の廃止というところをもう表明しておりまして、ただ、輸出分に関しては石炭鉱山の生産は続けるというような、ちょっと矛盾したようなところはありますが、日本にとっても、非常に今こうしてエネルギーの安定調達できているおかげは、オーストラリアがこれだけ資源大国になったおかげだと思いますので、日本としても、オーストラリアのこの脱炭素と資源開発というところは技術的に支援していくべきだと考えております。
○岩渕友君 以上で終わります。ありがとうございました。