災害援護資金は、災害による負傷や住宅、家財の被害に、市町村が最大350万円を貸し付ける制度。原資は国が3分の2を、県が3分の1を負担し、市町村が貸し付けや回収などを行います。
岩渕氏は、同大震災の被害に貸し付けた援護資金の滞納総額が3年間で30億円も増え、2024年9月時点での滞納率(件数)は36%にも上ると指摘。高齢化や経済的困窮などで返済が困難な実態があるが、援護資金の返済免除の条件が「死亡、破産、精神・身体への著しい障害等」と厳しすぎるとして、免除の条件を広げるよう求めました。
岩渕氏は、そもそも援護資金は低所得者を対象にした福祉的な側面があると指摘。生活に困窮する低所得者や一定額以下の年金生活者などに返済免除を認めるよう要求しました。津島淳内閣府副大臣は「直ちに免除を行うことは難しい」と背を向けました。
岩渕氏は、返済免除をしても、自治体は国に返還しなければならないため、自治体が困窮している被災者に返済を求める訴訟が相次いでいる実態を告発。「自治体が債権を放棄した場合は、国も自治体への債権を免除すべきだ」と要求しました。津島副大臣は「市町村の独自判断として債権放棄を行う場合、国の債権の免除は難しい」と冷たく言い放ちました。
221-参-行政監視委員会-002号 2026年05月18日(未定稿)
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から十五年です。四月末に、被災をされた方々の実態について宮城と福島で伺ってきました。そこで要望があった災害援護資金について質問をしていきます。
災害援護資金は、災害で負傷、住宅や家財が被災した被災者に市町村が最大で三百五十万円を貸し付ける制度です。原資は、国が三分の二、県が三分の一を負担し、市町村が窓口になって貸付けや償還金の回収なども行います。被災された方々の生活再建に役立っていると同時に、滞納が問題になっています。
東日本大震災で貸し付けられた災害援護資金の件数と金額、直近の滞納額と滞納率について教えてください。
○政府参考人(河合宏一君) お答えいたします。
東日本大震災における災害援護資金の状況については、内閣府において被災自治体の協力を得て調査を行っており、直近の令和六年九月三十日時点において、貸付けの総件数が二万九千七百二十六件、貸付総金額が五百二十五億三千三百三十四万円、うち滞納の件数が一万二十五件、滞納の金額が七十七億八千三百九十七万円となっておりますので、件数で申し上げますと、滞納されているのが三六・二%という件数、金額ベースで申し上げますと一四・八%ということになっております。
○岩渕友君 全体の滞納額は三年間で三十億円も増えているんですね。
話を伺った宮城県では、約二万四千件に四百九億円が貸し付けられました。二四年九月末時点の滞納額は、仙台市が約三十三億円で滞納率が三六%、仙台市を除く宮城県全体が二十八億円超で滞納率は四割にもなるんですね。
滞納額がなぜここまで多いのか、どう認識しているでしょうか。
○政府参考人(河合宏一君) お答えいたします。
災害援護資金の貸付けは、一定の所得額を満たさない世帯に対して生活の立て直しに資するために行われるものでございまして、貸付けを受けた後に経済事情の変化や病気になられるなど、個々の事情により返済が厳しくなっている方がおられるものと承知しております。
〔委員長退席、理事田島麻衣子君着席〕
○岩渕友君 宮城県市長会は、期間が経過しても依然として生活困窮の状況から抜け出せず償還困難な方がいるとして、相当期間の償還期限の延長と回収困難な事例に対する償還免除の要件緩和を求める決議を復興大臣宛てに提出をしています。
援護資金の免除制度は、特例はありますけれども、死亡、破産、精神、身体への著しい障害等々、条件が厳しくなっているんですね。これ、免除の条件を広げるべきではないでしょうか。
○副大臣(津島淳君) 岩渕委員の御質問にお答え申し上げます。
様々な御事情により返済が困難となっている被災者がいらっしゃることは把握をしてございます。
災害援護資金制度は返済を前提とした貸付制度でございます。そういう中で、既に返済されている被災者の方も多くいらっしゃるということを踏まえて、まずは返済に向けて御努力をいただくということがこれ原則となってまいります。
その上で、貸付けを受けた方が著しい障害を受けた場合や破産手続を開始した場合などの償還免除に加えて、東日本大震災については、特例法により、一定の無資力要件を満たす場合にも償還を免除できることとされております。
〔理事田島麻衣子君退席、委員長着席〕
いずれにしましても、被災された方の状況に応じてこうした制度を御活用いただきたいと考えておるところでございます。
○岩渕友君 東日本大震災では、本来十年の返済期限が十三年とされました。それでも返済できずに、昨年、返済期限の猶予が行われて、市町村から国への返済も延長できるというふうにされました。
今、無資力状態の免除の話もあったんですけれども、その場合も、返済免除なるんだけれども、返済期限から十年過ぎても無資力状態の場合なので、つまり二十三年になるんですよね。これだけ長い間債務を抱えるということは、余りにも負担が大き過ぎます。
そもそも災害援護資金には所得要件があって、低所得の方々を対象にした福祉的な側面があります。生活に困窮する低所得の方や一定額以下の年金で生活をしている方など、直ちに償還免除を認めるべきではないでしょうか。
○副大臣(津島淳君) この災害援護資金制度は、先ほども御答弁したとおり、返済を前提とした貸付制度であること、それから、既に返済されている方、完済されている方も含めて、そういう方が被災者の中にもいらっしゃいます。そういった方との公平性の観点から、直ちに免除を行うことは、これは難しいのではないかと考えております。
いずれにしましても、被災された方の個別の状況に応じて償還免除の制度を御活用いただきたいと考えております。
○岩渕友君 努力しても、やっぱり大変だから滞納になっているわけですよね。返済が免除されても、県、市町村は国への返還を行わなければなりません。だから、自治体が困窮をしている被災者に返済を求めて訴訟が相次いでいます。
全国知事会は、各自治体が貸付金に係る債権を免除又は放棄することが適当であると判断する場合には、国においても自治体への債権を免除する規定を整備することを提言しています。
自治体が債権を免除又は放棄した場合は、国も自治体への債権を免除するべきではないでしょうか。
○副大臣(津島淳君) この災害援護資金については、貸付けを受けた方が著しい障害を受けた場合、破産手続を開始した場合、あるいは一定の無資力要件を満たす場合であって、市町村が法律に基づく償還免除を行った場合には、その財源を貸し付けている国への償還も免除することとされているところでございます。
一方で、こうした要件を満たさない場合で市町村の独自の御判断として債権放棄を行う場合については、国の債権の免除というのは難しいものと考えております。
○岩渕友君 ちょっと余りにも冷たい答弁だなというふうに思うんですよね。
阪神・淡路大震災では、兵庫県も関係自治体も返済免除、債権放棄を決定しましたけれども、国の免除はその一部にとどまっていて、自治体の負担が残り続けている状態なんですよね。
自治体には、管理や回収の人員やコストの負担も重くのしかかっています。全国市議会議長会や知事などから債権回収に向けて係る経費に助成措置を求める要望が出されています。これ、管理コストは国が負担するべきじゃないでしょうか。少なくても負担軽減のための措置が何らか必要なんじゃないでしょうか。いかがですか。
○副大臣(津島淳君) 災害援護資金の債権管理について、貸付けを受けた方の様々な状況に応じて償還を求めていく業務の御負担ということについては、自治体からお話を伺っております。
その上で、この災害援護資金については市町村において貸付けを行うことができるとされている自治事務とされております。こうした制度の性質上、債権管理が必要となる業務となりますので、まずは自治体において適切に御対応いただくものと考えておるところでございます。ただし、国としては、自治体から制度運用上の御相談などがあれば丁寧に対応していきたいと考えております。
○岩渕友君 自治体から話を聞いているということでしたけれども、それだけもう深刻な実態、自治体にあるということだと思うんですね。
これは、あの東日本大震災だけの問題ではなくて、熊本地震から十年ですけれども、四人に一人が援護資金の返済が滞っているというふうに報道されています。で、貸付けではなくて、被災者の生活再建を直接支援する給付を検討するべきだと、このことを強く求めて、質問を終わります。