日本共産党の岩渕友参院議員は5月20日の資源エネルギー・持続可能社会調査会で、輸入に頼る化石燃料依存を強める政府のエネルギー政策を批判し、自給率を高め、地域経済にも寄与する再生可能エネルギーに予算と施策を集中するよう求めました。
岩渕氏は、政府が液化天然ガス(LNG)火力発電所を「脱炭素」だとして落札した発電会社を、建設費や運転維持費などを最短でも20年間支援する制度の対象にしているが、約定価格が2023年度に1万キロワットあたり3億円あまりだったものが、25年度は約4・8億円にはね上がっているとして、「電気代に転嫁される。化石燃料は支援制度の対象から除外すべきだ」と迫りました。井野俊郎経済産業副大臣は「発電所の改修が条件。短期的な供給力確保として制度対象にしている」と強弁しましたが、改修しても二酸化炭素(CO2)排出は大幅には減らないうえ、改修は10年先まで猶予されます。
岩渕氏は、政府が「フェードアウト」を強調するCO2排出量が多い古い石炭火発の稼働制限解除を決定し、24年度には原発最優先で約500億円分の再エネを出力抑制したと告発しました。
その上で、気候変動対策とともにエネルギー安全保障の観点から、化石燃料からの脱却と再エネ導入を加速させている国際的な潮流を示し、政府に抜本的なエネルギー政策の転換を求めました。
221-参-資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会-005号 2026年05月20日(未定稿)
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
アメリカとイスラエルによるイラン攻撃によって、生活となりわいに深刻な影響が出ています。国際情勢の変化を踏まえた日本のエネルギー政策の在り方について質問をしていきます。
各国が、現状を踏まえて、気候変動対策とともに、エネルギー安全保障の観点から、化石燃料からの脱却、再エネへの転換を加速させています。一方、日本では、LNG調達の不確実性が高まっているとして、容量市場における非効率な石炭火力の稼働制限を今年度解除することとしました。
これは、化石燃料依存を強め、脱炭素、エネルギー自給率の向上にも逆行することになるのではないでしょうか。井野副大臣、お願いします。
○副大臣(井野俊郎君) まず、大前提として、石炭火力については他の電源に比べてCO2排出量が多いという環境面の課題があり、その結果、第七次エネルギー基本計画においては、電力の安定供給の確保を大前提としつつ、非効率な石炭火力のフェードアウトを着実に推進していくという方針を示しております。
その上で、今般お示しした非効率石炭の稼働に係る措置なんですけれども、電力安定供給に万全を期す観点から、石炭火力の稼働を高め、LNGの消費節約につなげるために、あくまでも緊急的に講じるということとしたものでございます。
ですので、日本は二〇二六年度を対象、のみを対象としておりまして、エネルギー基本計画で示した方針を変更するものではございません。
○岩渕友君 この容量市場オークションは大手電力が保有する大規模電源の落札が多くて、LNGと石炭火力の割合が高くなっているんですね。総額は二〇二五年度には二兆円を超えて、結果的には電気代に転嫁をされて、消費者の負担になります。LNGの中東依存度は約一割というふうに説明をされています。LNGを理由に非効率な石炭火力の稼働を促進して、その負担を電気代に上乗せする、これはとんでもないことだというふうに思っています。
化石燃料への依存は長期脱炭素電源オークションでも顕著になっています。LNGも対象になっていて、石炭火力への水素やアンモニア混焼も対象にして、次々と手厚い支援が上乗せされているんですね。二〇二五年度のLNGの約定総額は約一千四百億円です。こうした費用は、これも最終的に電気代として消費者負担になるんですよね。
昨年のCOP30で日本は、CCUS、水素やアンモニア混焼など化石燃料の延命策を推進していることを理由に、化石賞を贈られるということになりました。
脱炭素電源オークションそのものが問題ですけれども、少なくとも国際的に通用しない化石燃料は同オークションの対象から除外するべきだと思いますが、井野副大臣、いかがですか。
○副大臣(井野俊郎君) こういうオークションから除くべきかという話なんですけれども、DXやGXの進展に伴って将来的な電力需要が増加が見込まれております。足下の電力需要の増加に対しては、再エネや原子力に加えて、火力含め、あらゆる電源を活用した上で安定供給を確保していく必要があるというふうに認識しております。
こうした中で、LNG火力は、二酸化炭素の排出量が比較的少なく、カーボンニュートラルに向けて排出削減を着実に進めるトランジション期といいましょうか、変換期といいましょうか、そういう時期においては、安定供給を確保する手段としては重要だというふうに考えております。そのため、短期的な供給力確保策としての、短期的な供給力確保策として制度の対象としている状況でございます。
また同時に、脱炭素化に向けた取組を進めるために、長期脱炭素電源オークションで支援する火力電源については、二〇五〇年に向けた脱炭素化へのロードマップの提出を求め、公表をするとともに、その後も取組状況、先ほど先生御指摘のアンモニア混焼だとか、そういった取組状況のフォローアップをすることとしております。
引き続き、こうした取組を通じて電力の安定供給の確保とカーボンニュートラルの両立を図ってまいりたいと思っております。
○岩渕友君 この調査会での参考人質疑でも、参考人の方から、アンモニア混焼などは経済的合理性の点からも現実的ではないんだという指摘もあったんですね。オークションの約定価格を見ても、二三年度には一万キロワット当たり三億円を超えて、二四年度には約三・五億円、二五年度には約四・八億円と価格が上昇し続けています。さらに、八年以内に脱炭素化することが条件で、国際約束の二〇三〇年には間に合わないんですよね。また、容量市場では、LNGの節約のためといって非効率な石炭火力発電の稼働を認めて、脱炭素電源オークションでは石炭火力発電が足りないというふうにしているのは矛盾をしています。
エネルギー危機の今こそ、化石燃料から脱却して、再エネを中心としたエネルギー政策へと転換をするべきです。資源豊富な再エネの導入を加速させることは、エネルギー自給率を向上させることになります。
ところが、再エネをめぐって、多くの出力抑制が行われているんですよね。東京エリアでも三月に初めて出力抑制が行われました。今使うことができる再エネが捨てられているということになるわけですよ。二四年度の再エネの出力抑制は十六億キロワットアワーで、家庭の平均電気料金で計算すると四百九十六億円に相当するんですね。
火力発電の出力を引き下げるなど、すぐにでもできることを行っているんでしょうか。そもそも、長期契約、原子力、石炭火力をベースロードとする運用を改めて、再エネの優先給電こそ行うべきだと思いますが、井野副大臣いかがですか。
○副大臣(井野俊郎君) 再エネの導入拡大に向けては、出力制御は可能な限り、まあ抑制といいましょうか、ないようにしていくということは重要だと思っております。
その上で、火力発電の最低出力、まず、についてでありますけれども、新設火力については三〇%までの引き下げるとともに、既設、既にある火力についても同等の引下げを求めているところでございまして、引き続き再生出力の引下げが行われているかを確認をしてまいりたいと、これに伴って、いわゆる出力制御が、再エネの出力抑制がないようにというふうに取組を進めていきたいと思っております。
また、出力制御の順序についてでありますけれども、各電源の特性を踏まえて決定することとしておりまして、長期固定電源としての位置付けられている水力、地熱、原子力については、現状では短時間での出力制御が難しいという技術的な特性がございまして、そういった点から最後に出力制御をすることとしております。
その上で、再エネの出力制御については、電力の安定供給を維持しつつ、再エネの最大限の導入を進めるために必要な措置でありますけれども、これが妨げにならないようにしていきたいと思っております。
その上で、二〇一三年十二月に策定した出力制御対策パッケージに基づいて、地域間送電線の整備や蓄電池の導入促進など対策を引き続き進めていくことで、出力制御の最大限の抑制に取り組んでまいりたいと思っております。
○岩渕友君 二十五年度の出力抑制は二十億キロワットアワーにも上る見通しなんですね。東北エリアの出力抑制は、二十二年度の約六千万キロワットアワーから二十四年度には二・一億キロワットアワーと三倍以上に増えています。抑制率も、二十二年度に〇・五%だったものが二十四年度には一・三%と三倍近くにもなっているんですね。それだけ再エネ事業者のリスクが高まっていて、原発と化石燃料が再エネの導入を阻んでいるのは明らかです。
調査会で何度も地域固有の資源を生かした各地の再エネの取組が地域経済の活性化などにつながっているということを紹介してきました。エネルギー自給率が低い我が国における再エネ導入の重要性とポテンシャル、再エネの地域内経済循環の重要性について、青山副大臣にお聞きします。
○副大臣(青山繁晴君) 岩渕委員の御質問にありますその再生可能エネルギーの良き点の一つは、国産エネルギーであって、しかも地域で地産地消で使いやすいという特徴があります。それは、今おっしゃった認識と、私たち環境省も、本当は経産省も含めて、政府の認識と実はそごがないと思って伺っておりました。
それで、具体的に申しますと、鹿児島県に日置市という町があって、そこの市長とお会いし、そこ、どうしてお会いしたかというと、脱炭素の先行地域に指定されているからですけれども、今おっしゃったとおり、その再生可能エネルギーをあくまで地産地消のエネルギー源として捉えておられて、そうすると、お金もその日置で回るわけですね。外に出ていかないです。排他的な意味で出ていかないんじゃなくて、ちゃんと地域のお金が地域の住民の生活に貢献できるようになっているわけです。地域も実に生き生きしているわけですね。そういうことを考えれば、今委員がおっしゃったとおり、別に迎合するわけじゃなくて、その再生可能エネルギーの良き点というものを政府がきちんと今後もつなげていかなきゃいけないと考えています。
そういうことの中に、例えば……
○会長(木戸口英司君) おまとめいただけますか。
○副大臣(青山繁晴君) はい。
メガソーラーのような、大規模じゃなくて自家消費のような細かいところまで配慮していきたいと考えております。
○岩渕友君 今こそ予算も政策も集中して再エネの転換を急ぐべきだと求めて、質問を終わります。